作業主任者の一覧表|選任が必要な31の作業と条件・資格・選任の決まり

作業主任者の一覧表を示す図解。足場の作業者を指揮する作業主任者のアイキャッチ 法令と管理体制
お悩み
こんなふうに思っていませんか?
  • 自分の職場の作業に、作業主任者の選任が必要かどうか一覧で確かめたい
  • 足場や掘削は「何メートルから」作業主任者が必要なのか知りたい
  • 作業主任者を選んだあと、何をすればいいのかわからない
この記事でわかること
  • 作業主任者とは何か、職長との違い
  • 選任が必要な作業の一覧(条件つき)
  • 選任の決まりと、作業主任者の仕事
結論|まず30秒でわかる答え

作業主任者は、労働安全衛生法施行令第6条で決められた危険・有害な作業で、作業者を直接指揮する人です。足場(高さ5m以上)・地山の掘削(2m以上)・有機溶剤・特定化学物質・酸素欠乏など31の作業があり、事業場の人数に関係なく、免許か技能講習を修了した人から選任し、氏名と職務を作業場に掲示します。

この記事では、作業主任者の一覧表を、高さや台数などの条件つきで整理します。かんたんに言うと、「この作業をするときは、資格を持った現場リーダーを必ず置きなさい」という決まりです。10人の会社でも、1日だけの作業でも、対象の作業をするなら必要です。

根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

作業主任者とは:資格を持つ現場の指揮者

作業主任者

  • 法律で決められた31の作業で選ぶ
  • 免許か技能講習の修了が必要
  • 作業の方法を決め、器具を点検し、作業者を直接指揮する
  • 選ばないと罰則あり

職長

  • 製造業・建設業などで、作業者を直接指導・監督する人
  • 職長教育を受けてもらう(資格ではない)
  • 作業の種類を問わず、現場の監督者として置く
  • 作業主任者が職長を兼ねることも多い

作業主任者は「特定の危ない作業の専門の指揮者」、職長は「現場の班長」と考えるとわかりやすいでしょう。同じ人が両方を担うこともあります。

根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

作業主任者と職長の違いの図。作業主任者は決められた作業の資格者、職長は現場の班長として指導する人

選任が必要な作業の一覧表

施行令第6条の作業を、分野ごとに条件つきで並べました。条件にあてはまらない作業(たとえば高さ5m未満の足場)は、作業主任者の選任は不要です。

1. 建設・土木の作業

作業(条件)作業主任者資格
足場の組立て・解体・変更(つり足場・張出し足場、または高さ5m以上の足場)足場の組立て等作業主任者技能講習
地山の掘削(掘削面の高さ2m以上)地山の掘削作業主任者技能講習
土止め支保工の切りばり・腹起こしの取付け・取り外し土止め支保工作業主任者技能講習
型枠支保工の組立て・解体型枠支保工の組立て等作業主任者技能講習
建築物の鉄骨・塔の組立て・解体・変更(高さ5m以上)建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者技能講習
木造建築物の構造部材の組立てなど(軒の高さ5m以上)木造建築物の組立て等作業主任者技能講習
コンクリート造の工作物の解体・破壊(高さ5m以上)コンクリート造の工作物の解体等作業主任者技能講習
鋼橋の架設・解体・変更(高さ5m以上か支間30m以上)鋼橋架設等作業主任者技能講習
コンクリート橋の架設・変更(高さ5m以上か支間30m以上)コンクリート橋架設等作業主任者技能講習
ずい道(トンネル)などの掘削・覆工ずい道等の掘削等作業主任者/ずい道等の覆工作業主任者技能講習
採石のための掘削(掘削面の高さ2m以上)採石のための掘削作業主任者技能講習
コンクリート破砕器を使う破砕コンクリート破砕器作業主任者技能講習
高圧室内作業(圧気工法)高圧室内作業主任者免許

2. 機械・設備・荷役の作業

作業(条件)作業主任者資格
木材加工用機械(丸のこ盤など)を5台以上持つ事業場での作業(自動送材車式帯のこ盤があれば3台以上)木材加工用機械作業主任者技能講習
動力プレスを5台以上持つ事業場での作業プレス機械作業主任者技能講習
一定の大きさ以上の乾燥設備での加熱乾燥乾燥設備作業主任者技能講習
ボイラーの取扱い(小型ボイラーを除く)ボイラー取扱作業主任者ボイラー技士の免許(小規模なものは技能講習も可)
第一種圧力容器の取扱い第一種圧力容器取扱作業主任者技能講習(ボイラー技士の免許でよい場合あり)
アセチレン溶接装置・ガス集合溶接装置での溶接・溶断ガス溶接作業主任者免許
はい付け・はい崩し(高さ2m以上)はい作業主任者技能講習
船内荷役船内荷役作業主任者技能講習
林業架線(一定の大きさ以上の集材機など)林業架線作業主任者免許

3. 化学物質・酸欠・放射線の作業

この表の見方:条件は要点だけ書きました。細かい除外(試験研究のための取扱い、遠隔操作の隔離室など)は施行令第6条で確かめてください。

作業(条件)作業主任者資格
屋内作業場・タンクの内部などで有機溶剤を扱う業務有機溶剤作業主任者技能講習
特定化学物質を製造・取扱い(溶接ヒュームが出るアーク溶接を含む)特定化学物質作業主任者/金属アーク溶接等作業主任者技能講習
鉛業務鉛作業主任者技能講習
四アルキル鉛等業務四アルキル鉛等作業主任者技能講習
酸素欠乏危険場所での作業(タンク・マンホール・井戸の中など)酸素欠乏危険作業主任者(硫化水素のおそれがある場所は第2種)技能講習
石綿(アスベスト)を扱う作業(解体・改修を含む)石綿作業主任者技能講習
エックス線装置を使う放射線業務(医療用などを除く)エックス線作業主任者免許
ガンマ線照射装置での透過写真の撮影ガンマ線透過写真撮影作業主任者免許
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作業主任者になるための技能講習の名前と、講習の受け方がわかる

根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

作業主任者が必要な作業の例の図。高さ5m以上の足場、掘削面2m以上の地山の掘削、屋内の有機溶剤、タンクやマンホールの中の酸素欠乏

自分の職場で必要か確かめる

Q1 その作業は、上の一覧表の作業にあたりますか?(有機溶剤を使う、足場を組む、タンクの中に入るなど)
はい → →Q2へ
いいえ → 作業主任者は不要(特別教育や職長の指導が必要な場合はある)
▼
Q2 高さ・台数・場所などの条件にあてはまりますか?(足場は5m以上、掘削は2m以上、プレスは5台以上など)
はい → 作業主任者を選任する(人数に関係なく必要)
いいえ → 作業主任者は不要

当てはめ例

この表の見方:どれも架空の例です。

職場の例(架空)必要な作業主任者
社員8人の塗装会社。屋内の工場でシンナーを使って塗装する有機溶剤作業主任者。人数が少なくても必要
高さ4mの足場を組んで外壁を補修する足場の作業主任者は不要(つり足場・張出し足場でないとき)。ただし足場の特別教育は必要
食品工場で、排水槽の中に入って清掃する酸素欠乏危険作業主任者。汚水の槽は硫化水素のおそれがある場所なので、酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習(第2種)を修了した人

選任の決まりと、作業主任者の仕事

STEP 1

資格のある人から選ぶ。作業の区分ごとに決まった免許か技能講習を修了した人から選びます(規則第16条・別表第1)。

STEP 2

2人以上なら分担を決める。同じ場所で同じ作業に2人以上選んだときは、それぞれの職務の分担を決めます(規則第17条)。

STEP 3

氏名と職務を掲示する。作業主任者の氏名と、行わせる事項を、作業場の見やすい場所に掲示するなどして知らせます(規則第18条)。

POINT

作業主任者は、監督署への報告の決まりがありません。そのかわり、氏名と職務の掲示が決まっています。現場の入口などに「作業主任者 〇〇」と貼ってあるのはこのためです。

作業主任者の仕事の例(足場の場合)

この表の見方:作業主任者の仕事は、作業ごとに規則で決まっています(足場は規則第566条)。

仕事中身
材料の点検材料の欠点を点検し、不良品を取り除く
器具・保護具の点検工具・墜落制止用器具・保護帽を点検し、不良品を取り除く
作業の指揮作業の方法と人の配置を決め、作業の進み具合を見る
使用状況の監視墜落制止用器具と保護帽を正しく使っているか見る
作業主任者の選任チェックリスト
  • □ 自社の作業が一覧表にあたるか、条件(高さ・台数・場所)まで確かめた
  • □ 作業主任者の免許証・修了証の写しを保管している
  • □ 作業の時間帯に、作業主任者が現場で指揮できる体制にした
  • □ 氏名と職務を作業場に掲示した
  • □ 2人以上選んだときは、職務の分担を決めた

義務(罰則あり) 作業主任者を選任しないと、労働安全衛生法第119条により6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になります。

根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

作業主任者の選任の流れの図。免許か技能講習の資格のある人を選び、2人以上なら分担を決め、氏名を作業場に掲示する

よくある質問

Q. 作業主任者とは何ですか?

A. 法律で決められた危険・有害な作業で、作業の方法を決め、作業者を直接指揮する人です。免許か技能講習の修了が必要です。

Q. 作業主任者が必要な作業はいくつありますか?

A. 労働安全衛生法施行令第6条に、枝番を含めて31の作業が決められています。足場・掘削・有機溶剤・酸欠などです。

Q. 小さな会社でも作業主任者は必要ですか?

A. 必要です。作業主任者は事業場の人数ではなく、作業の種類と条件で決まるので、社員が数人の会社でも選任します。

Q. 足場の作業主任者は何メートルから必要ですか?

A. 高さ5m以上の足場の組立て・解体・変更で必要です。つり足場と張出し足場は高さに関係なく必要です。

Q. 作業主任者の選任は監督署に報告しますか?

A. 報告の決まりはありません。そのかわり、氏名と職務を作業場の見やすい場所に掲示して知らせます。

まとめ:作業と条件で決まり、人数は関係ない

POINT
  • 作業主任者は、決められた危険・有害な作業で作業者を直接指揮する人です。
  • 施行令第6条の31の作業で、高さ5m以上・2m以上・5台以上などの条件があります。
  • 事業場の人数に関係なく、免許か技能講習を修了した人から選びます。
  • 選んだら氏名と職務を掲示し、2人以上なら分担を決めます。

つまり、新しい作業を始める前に一覧表と条件を確かめ、資格のある人を現場に置いてから作業を始めることが大切です。

S
シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに、職場の安全と健康のルールを図解しています。法令は厚生労働省の資料と条文で確認し、根拠を示して説明することを大切にしています。

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