労災保険とは|加入条件と対象者・8つの給付・保険料のしくみ

労災保険を示す図解。国の大きな傘が工場・事務所・パートの働く人を守るアイキャッチ 労働災害の対応
答え

労災保険(労働者災害補償保険。略して労災)とは、仕事中(業務災害)や通勤中(通勤災害)のけが・病気・障害・死亡に対して、国が治療費や休業中の生活費などを給付する保険です(労働者災害補償保険法)。労働者を1人でも使用する事業は加入し、パート・アルバイトを含むすべての労働者が対象で、保険料は全額会社が負担します。

知りたいことから:対象になる人(加入条件)/8つの給付/保険料のしくみ

かんたんに言うと、「仕事や通勤でけがをした人の治療と生活を、国の保険で守るしくみ」です。会社が労働基準法の補償をする代わりに、保険から給付が出るようになっています。

根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

対象になる人と、加入の条件

労働者を使用する事業は、加入の手続きをしていなくても労災保険の対象です。手続きを怠っていた期間の事故は、給付の費用を会社が負担させられることがあります。

人労災保険
正社員・契約社員対象
パート・アルバイト・日雇い対象(労働時間や日数に関係なく)
派遣社員派遣元の労災保険の対象
会社の社長・役員(労働者でない人)原則対象外(中小企業の事業主は特別加入できる)
一人親方・フリーランスの一部原則対象外(特別加入できる業種がある)
根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

労災保険の対象になる人の図。正社員・契約社員、パート・アルバイトは対象、派遣社員は派遣元の労災保険、社長や一人親方は特別加入できる

8つの給付

通勤災害では、名前から「補償」がとれて、療養給付・休業給付などになります。二次健康診断等給付は、けががなくても使える給付です。

給付(業務災害)どんなとき何が出るか
療養補償給付けがや病気の治療を受けるとき治療費(労災病院・指定病院なら窓口負担なし)
休業補償給付治療のため働けず、賃金をもらえないとき休業4日目から、給付基礎日額の60%(ほかに特別支給金20%)
障害補償給付治ったあとに障害が残ったとき障害の重さに応じた年金か一時金
遺族補償給付亡くなったとき遺族への年金か一時金
葬祭料亡くなったとき葬祭を行う人への給付
傷病補償年金治療開始から1年6か月たっても治らず、重い状態のとき傷病の重さに応じた年金(休業補償給付に代わる)
介護補償給付障害・傷病の年金を受け、介護が必要なとき介護の費用(月ごと)
二次健康診断等給付会社の健康診断で、脳・心臓の病気に関係する検査のすべてに異常があったとき二次健康診断と保健指導(年1回)
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休業4日目からの休業補償の計算と、最初の3日間の会社の補償がわかる

根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

労災保険の8つの給付の図。療養、休業、障害、遺族、葬祭料、傷病年金、介護、二次健診

保険料のしくみと、会社がやること

労災保険の保険料は、全額会社の負担です。社員の給料から引くことはありません(雇用保険の保険料は、社員も一部を負担します)。保険料は、会社が払う賃金の総額に、業種ごとの保険料率をかけて計算し、毎年まとめて申告・納付します。

当てはめ例

どれも架空の例です。通勤中のけがは、通勤災害の給付になります。

場面(架空)使う給付
工場で指を切って、病院で縫ってもらい、その日のうちに仕事に戻った療養補償給付(治療費)
倉庫で腰を痛めて、10日間休んだ療養補償給付と、休業4日目からの休業補償給付(最初の3日は会社が補償)
会社の健康診断で、血圧・血糖・脂質・腹囲などのすべてに異常があった二次健康診断等給付
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通勤中のけがが労災になる範囲と、業務災害との違いがわかる

労災保険で会社がやることのチェックリスト
  • □ 労働保険の加入(保険関係の成立)の手続きをした
  • □ パート・アルバイトも対象であることを社員に伝えている
  • □ けがをしたら、病院で健康保険ではなく労災保険を使うよう伝えている
  • □ 請求書の会社の証明欄を、すぐに記入できるようにしている
  • □ 毎年の保険料の申告・納付をしている
根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

保険料をだれが払うかの図。労災保険は全額会社の負担、雇用保険は社員も一部を負担する

よくある質問

Q. 労災保険とは何ですか?

A. 仕事中や通勤中のけが・病気・障害・死亡に対して、国が治療費や休業中の生活費などを給付する保険です。

Q. パートやアルバイトも労災保険の対象ですか?

A. 対象です。労働時間や日数に関係なく、雇われて働くすべての労働者が労災保険の対象になります。

Q. 労災保険の保険料は誰が払いますか?

A. 全額会社の負担です。社員の給料から引くことはありません。雇用保険と違い、社員の負担はありません。

Q. 労災保険の給付にはどんな種類がありますか?

A. 療養・休業・障害・遺族・葬祭料・傷病年金・介護・二次健康診断等の給付があります。

Q. 社長や一人親方は労災保険に入れますか?

A. 原則は対象外ですが、中小企業の事業主や一定の一人親方などは、特別加入の制度で入ることができます。

まとめ:雇えば全員が対象。保険料は会社、給付は8種類

POINT
  • 労災保険は、仕事中・通勤中のけがや病気に、国が治療費や生活費を給付する保険です。
  • 労働者を1人でも使用すれば対象で、パート・アルバイトも含まれます。
  • 保険料は全額会社の負担で、社員の給料からは引きません。
  • 給付は、療養・休業・障害・遺族・葬祭料・傷病年金・介護・二次健康診断等の8つです。

つまり、けがが起きたら健康保険ではなく労災保険を使い、会社は請求の手伝いをすばやく行うことが大切です。

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シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに、職場の安全と健康のルールを図解しています。法令は厚生労働省の資料と条文で確認し、根拠を示して説明することを大切にしています。

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