技能講習の一覧|作業主任者と運転・玉掛けの35種類を整理

技能講習の一覧を示す図解。講習機関とフォークリフト・玉掛け・高所作業車、修了証を描いたアイキャッチ 教育と資格
お悩み
こんなふうに思っていませんか?
  • 技能講習の一覧で、どの作業にどの講習が必要か確かめたい
  • 特別教育と技能講習の境目(何トンから技能講習か)がわからない
  • 作業主任者の講習と運転の講習の違いを知りたい
この記事でわかること
  • 技能講習とは何か、誰が行うのか
  • 35種類すべての一覧(作業主任者と運転・作業)
  • 特別教育との境目と、修了証の扱い
結論|まず30秒でわかる答え

技能講習は、都道府県労働局に登録した講習機関が行い、修了すると修了証がもらえる講習です。労働安全衛生法の別表第18に35種類が決まっていて、作業主任者になるための講習(25種類)と、フォークリフトや玉掛けなどの運転・作業の講習(10種類)に分けられます。

かんたんに言うと、危険の大きな作業や、作業を指揮する人に必要な「外部の講習で取る資格」です。会社が行う特別教育より、一段重い資格にあたります。

根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

技能講習とは:登録された講習機関で受ける資格

この表の見方:同じ種類の機械でも、大きいもの・重いものは技能講習、小さいものは特別教育になります。

技能講習特別教育
行う人都道府県労働局に登録した講習機関会社(外部に頼んでもよい)
終わったら修了試験に合格すると修了証が出る会社が記録を作って3年保存
使う場面作業主任者の選任、就業制限のある運転など規則第36条の業務
根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

技能講習と特別教育の違いの図。技能講習は登録機関で修了証、特別教育は会社が行い記録を保存

技能講習の一覧(全35種類)

1. 作業主任者になるための講習(25種類)

作業主任者は、決められた危険な作業で、現場の作業者を直接指揮する人です。その作業主任者に選ぶための講習が、次の25種類です(別表第18 第1号〜第25号)。

この表の見方:左は分野、右はその分野の講習の名前です(名前の最後の「技能講習」は省きました)。

分野技能講習の名前
機械・設備木材加工用機械作業主任者/プレス機械作業主任者/乾燥設備作業主任者/化学設備関係第一種圧力容器取扱作業主任者/普通第一種圧力容器取扱作業主任者
掘削・トンネル地山の掘削及び土止め支保工作業主任者/ずい道等の掘削等作業主任者/ずい道等の覆工作業主任者/採石のための掘削作業主任者/コンクリート破砕器作業主任者
建て方・解体型枠支保工の組立て等作業主任者/足場の組立て等作業主任者/建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者/鋼橋架設等作業主任者/コンクリート造の工作物の解体等作業主任者/コンクリート橋架設等作業主任者/木造建築物の組立て等作業主任者
荷役はい作業主任者/船内荷役作業主任者
化学物質・酸欠特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者/鉛作業主任者/有機溶剤作業主任者/石綿作業主任者/酸素欠乏危険作業主任者/酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者

2. 運転・作業の講習(10種類)

決められた大きさ以上の機械の運転などは、資格のない人がしてはいけない「就業制限業務」です。そのための講習が、次の10種類です(別表第18 第26号〜第35号)。

この表の見方:ガス溶接技能講習(可燃性ガスと酸素での溶接・溶断)とボイラー取扱技能講習(小規模なボイラー)もこの10種類に入ります。

技能講習必要になる範囲(これ未満は特別教育)
フォークリフト運転最大荷重1トン以上
玉掛けつり上げ荷重1トン以上のクレーン・移動式クレーンなど
小型移動式クレーン運転つり上げ荷重1トン以上5トン未満の移動式クレーン(5トン以上は免許)
床上操作式クレーン運転つり上げ荷重5トン以上の床上操作式クレーン(ほかの5トン以上のクレーンは免許)
高所作業車運転作業床の高さ10メートル以上
車両系機械運転(車両系建設機械など)機体重量3トン以上のブルドーザー・ショベルなど
ショベルローダー等運転・不整地運搬車運転最大荷重・最大積載量1トン以上
根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

技能講習を、作業主任者になるための25種類と、運転・作業の10種類に分けた図

自分の職場で必要な技能講習の探し方

Q1 その作業は、上の作業主任者の講習の分野にあたる作業ですか?(例:有機溶剤を使う作業、足場の組立て)
はい → 作業主任者を選任する。その人に作業主任者の技能講習を受けさせる
いいえ → →Q2へ
▼
Q2 運転する機械は、表の「必要になる範囲」以上の大きさですか?
はい → 運転・作業の技能講習が必要
いいえ → 特別教育で足りる(規則第36条)

当てはめ例

この表の見方:どれも架空の例です。作業主任者が必要な作業の範囲は、別の記事でくわしく扱います。

職場の例(架空)必要な技能講習
塗装工場でシンナーを使い、2トンのフォークリフトで製品を運ぶ有機溶剤作業主任者(選任する人)、フォークリフト運転
工場の天井クレーン(2.8トン)で部品をつり、荷にワイヤーを掛ける玉掛け(クレーンの運転は5トン未満なので特別教育)
建設現場で作業床12メートルの高所作業車を使う高所作業車運転
技能講習が必要になる境目の図。フォークリフトと玉掛けは1トン以上、高所作業車は10メートル以上、車両系建設機械は3トン以上

修了証と、よくある間違い

修了試験に合格すると、講習機関から修了証が出ます。運転などの就業制限業務では、作業中に修了証を携帯することが求められています(労働安全衛生法第61条第3項)。

よくある間違い正しくは
技能講習は会社で行えばよい登録された講習機関で受ける。会社が行えるのは特別教育
フォークリフトの特別教育で、2トンの車に乗れる乗れない。1トン以上は技能講習が必要
作業主任者の講習を受けた人がいれば、選任しなくてよい講習を受けた人の中から、作業ごとに作業主任者を選任する

義務(罰則あり) 資格のない人を就業制限業務に就かせたり(第61条第1項)、必要な作業主任者を選任しなかったり(第14条)すると、第119条により6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です。

根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

よくある質問

Q. 技能講習の一覧はどこで決まっていますか?

A. 労働安全衛生法の別表第18に35種類が決まっています。作業主任者の講習25種類と、運転・作業の講習10種類です。

Q. 技能講習と特別教育の違いは何ですか?

A. 技能講習は登録された講習機関が行い修了証が出ます。特別教育は会社が行う教育で、危険が小さい業務が対象です。

Q. 技能講習は会社で行えますか?

A. 行えません。都道府県労働局に登録した講習機関で受けます。会社が行えるのは特別教育です。

Q. 技能講習の修了証は持ち歩く必要がありますか?

A. 運転などの就業制限業務では、作業中に修了証を携帯することが求められています。なくしたら再交付を受けます。

Q. 何トンから技能講習が必要ですか?

A. フォークリフトと玉掛けは1トン以上、高所作業車は作業床10メートル以上、車両系建設機械は3トン以上が目安です。

まとめ:作業主任者の講習と運転の講習を分けて考える

POINT
  • 技能講習は、登録された講習機関で受けて修了証をもらう資格で、別表第18に35種類あります。
  • 作業主任者になるための講習が25種類、運転・作業の講習が10種類です。
  • 同じ機械でも、決められた大きさ以上は技能講習、未満は特別教育です。
  • 資格のない人を就かせると罰則があり、会社も罰せられます。

つまり、まず「作業を指揮する人が要る作業か」と「機械が何トン以上か」の2つを確かめれば、必要な技能講習が決まります。

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シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに、職場の安全と健康のルールを図解しています。法令は厚生労働省の資料と条文で確認し、根拠を示して説明することを大切にしています。

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