- 技能講習の一覧で、どの作業にどの講習が必要か確かめたい
- 特別教育と技能講習の境目(何トンから技能講習か)がわからない
- 作業主任者の講習と運転の講習の違いを知りたい
- 技能講習とは何か、誰が行うのか
- 35種類すべての一覧(作業主任者と運転・作業)
- 特別教育との境目と、修了証の扱い
技能講習は、都道府県労働局に登録した講習機関が行い、修了すると修了証がもらえる講習です。労働安全衛生法の別表第18に35種類が決まっていて、作業主任者になるための講習(25種類)と、フォークリフトや玉掛けなどの運転・作業の講習(10種類)に分けられます。
かんたんに言うと、危険の大きな作業や、作業を指揮する人に必要な「外部の講習で取る資格」です。会社が行う特別教育より、一段重い資格にあたります。
- 労働安全衛生法 第76条(技能講習)・別表第18(技能講習の種類)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。
技能講習とは:登録された講習機関で受ける資格
この表の見方:同じ種類の機械でも、大きいもの・重いものは技能講習、小さいものは特別教育になります。
| 技能講習 | 特別教育 | |
|---|---|---|
| 行う人 | 都道府県労働局に登録した講習機関 | 会社(外部に頼んでもよい) |
| 終わったら | 修了試験に合格すると修了証が出る | 会社が記録を作って3年保存 |
| 使う場面 | 作業主任者の選任、就業制限のある運転など | 規則第36条の業務 |
- 労働安全衛生法 第61条第1項・第76条・第77条
- 労働安全衛生規則 第36条
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

技能講習の一覧(全35種類)
1. 作業主任者になるための講習(25種類)
作業主任者は、決められた危険な作業で、現場の作業者を直接指揮する人です。その作業主任者に選ぶための講習が、次の25種類です(別表第18 第1号〜第25号)。
この表の見方:左は分野、右はその分野の講習の名前です(名前の最後の「技能講習」は省きました)。
| 分野 | 技能講習の名前 |
|---|---|
| 機械・設備 | 木材加工用機械作業主任者/プレス機械作業主任者/乾燥設備作業主任者/化学設備関係第一種圧力容器取扱作業主任者/普通第一種圧力容器取扱作業主任者 |
| 掘削・トンネル | 地山の掘削及び土止め支保工作業主任者/ずい道等の掘削等作業主任者/ずい道等の覆工作業主任者/採石のための掘削作業主任者/コンクリート破砕器作業主任者 |
| 建て方・解体 | 型枠支保工の組立て等作業主任者/足場の組立て等作業主任者/建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者/鋼橋架設等作業主任者/コンクリート造の工作物の解体等作業主任者/コンクリート橋架設等作業主任者/木造建築物の組立て等作業主任者 |
| 荷役 | はい作業主任者/船内荷役作業主任者 |
| 化学物質・酸欠 | 特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者/鉛作業主任者/有機溶剤作業主任者/石綿作業主任者/酸素欠乏危険作業主任者/酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者 |
2. 運転・作業の講習(10種類)
決められた大きさ以上の機械の運転などは、資格のない人がしてはいけない「就業制限業務」です。そのための講習が、次の10種類です(別表第18 第26号〜第35号)。
この表の見方:ガス溶接技能講習(可燃性ガスと酸素での溶接・溶断)とボイラー取扱技能講習(小規模なボイラー)もこの10種類に入ります。
| 技能講習 | 必要になる範囲(これ未満は特別教育) |
|---|---|
| フォークリフト運転 | 最大荷重1トン以上 |
| 玉掛け | つり上げ荷重1トン以上のクレーン・移動式クレーンなど |
| 小型移動式クレーン運転 | つり上げ荷重1トン以上5トン未満の移動式クレーン(5トン以上は免許) |
| 床上操作式クレーン運転 | つり上げ荷重5トン以上の床上操作式クレーン(ほかの5トン以上のクレーンは免許) |
| 高所作業車運転 | 作業床の高さ10メートル以上 |
| 車両系機械運転(車両系建設機械など) | 機体重量3トン以上のブルドーザー・ショベルなど |
| ショベルローダー等運転・不整地運搬車運転 | 最大荷重・最大積載量1トン以上 |
- 労働安全衛生法 別表第18
- 労働安全衛生法施行令 第20条(就業制限業務)
- 労働安全衛生規則 第41条・別表第3
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

自分の職場で必要な技能講習の探し方
いいえ → →Q2へ
いいえ → 特別教育で足りる(規則第36条)
当てはめ例
この表の見方:どれも架空の例です。作業主任者が必要な作業の範囲は、別の記事でくわしく扱います。
| 職場の例(架空) | 必要な技能講習 |
|---|---|
| 塗装工場でシンナーを使い、2トンのフォークリフトで製品を運ぶ | 有機溶剤作業主任者(選任する人)、フォークリフト運転 |
| 工場の天井クレーン(2.8トン)で部品をつり、荷にワイヤーを掛ける | 玉掛け(クレーンの運転は5トン未満なので特別教育) |
| 建設現場で作業床12メートルの高所作業車を使う | 高所作業車運転 |

修了証と、よくある間違い
修了試験に合格すると、講習機関から修了証が出ます。運転などの就業制限業務では、作業中に修了証を携帯することが求められています(労働安全衛生法第61条第3項)。
| よくある間違い | 正しくは |
|---|---|
| 技能講習は会社で行えばよい | 登録された講習機関で受ける。会社が行えるのは特別教育 |
| フォークリフトの特別教育で、2トンの車に乗れる | 乗れない。1トン以上は技能講習が必要 |
| 作業主任者の講習を受けた人がいれば、選任しなくてよい | 講習を受けた人の中から、作業ごとに作業主任者を選任する |
義務(罰則あり) 資格のない人を就業制限業務に就かせたり(第61条第1項)、必要な作業主任者を選任しなかったり(第14条)すると、第119条により6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です。
- 労働安全衛生法 第14条・第61条・第119条
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。
よくある質問
まとめ:作業主任者の講習と運転の講習を分けて考える
- 技能講習は、登録された講習機関で受けて修了証をもらう資格で、別表第18に35種類あります。
- 作業主任者になるための講習が25種類、運転・作業の講習が10種類です。
- 同じ機械でも、決められた大きさ以上は技能講習、未満は特別教育です。
- 資格のない人を就かせると罰則があり、会社も罰せられます。
つまり、まず「作業を指揮する人が要る作業か」と「機械が何トン以上か」の2つを確かめれば、必要な技能講習が決まります。
メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに、職場の安全と健康のルールを図解しています。法令は厚生労働省の資料と条文で確認し、根拠を示して説明することを大切にしています。


