- フォークリフト運転技能講習は、誰が受ければいいのか知りたい
- 講習の日数や費用、どのコースを選べばいいのかわからない
- 1トン未満の特別教育との違いがよくわからない
- 技能講習が必要になる範囲(1トン以上・未満の違い)
- コースごとの時間・日数・費用の目安
- 講習の中身と、申込みから修了証までの流れ
最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転するには、フォークリフト運転技能講習の修了が必要です(労働安全衛生法施行令第20条第11号)。普通自動車免許などを持つ人は31時間(4日)、自動車の運転免許を持たない人は35時間のコースが基本で、費用は3万5千円〜4万円前後が目安です。
「最大荷重」は、そのフォークリフトが持ち上げられる重さの上限のことです。車体に貼られた銘板(能力を書いた板)で確かめられます。かんたんに言うと、1トン以上の車なら技能講習、1トン未満なら会社が行う特別教育が必要、ということです。
- 労働安全衛生法 第61条(就業制限)
- 労働安全衛生法施行令 第20条第11号(最大荷重1トン以上のフォークリフトの運転)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。
技能講習が必要な範囲:最大荷重1トン以上の運転
フォークリフトの資格は、最大荷重で2つに分かれます。
この表の見方:左の最大荷重で、必要な資格が決まります。
| 最大荷重 | 必要な資格 | 根拠 | 誰が行うか |
|---|---|---|---|
| 1トン以上 | フォークリフト運転技能講習の修了 | 施行令 第20条第11号 | 都道府県労働局に登録した講習機関 |
| 1トン未満 | 特別教育(とくべつきょういく) | 規則 第36条第5号 | 会社(外部の講習機関に頼むこともできる) |
技能講習が必要な業務は「就業制限業務」と呼ばれ、資格のない人をその業務に就かせてはいけません(第61条第1項)。資格のない人自身も、その業務を行ってはいけないと決まっています(第61条第2項)。
判定フロー:この運転に資格はいる?
いいえ → 道路を走るときは、別に道路交通法の運転免許が必要。荷役の資格とあわせて確認する
いいえ → 1トン未満のフォークリフトの特別教育が必要
当てはめ例
この表の見方:どれも架空の例です。最大荷重は車体の銘板で確かめます。
| 職場の例(架空) | 必要な資格 |
|---|---|
| 物流倉庫で、最大荷重2.5トンのフォークリフトで荷を運ぶ | 技能講習 |
| 工場で、最大荷重0.9トンの小型フォークリフトだけを使う | 特別教育 |
| ふだんは0.9トンだが、繁忙期に1.5トンの車も使う | 技能講習(大きいほうに合わせる) |
- 労働安全衛生法 第61条第1項・第2項
- 労働安全衛生法施行令 第20条第11号
- 労働安全衛生規則 第36条第5号(1トン未満は特別教育)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

コースと時間・費用の目安
講習の時間は、持っている運転免許や経験で変わります。基本になるのは次の2つのコースです。
この表の見方:費用は講習機関の公開情報をもとにした目安です。教材費の扱いや日程は講習機関ごとに違います。
| コース | 対象になる人 | 時間・日数 | 費用の目安 |
|---|---|---|---|
| 31時間コース | 普通自動車免許などの運転免許を持つ人 | 31時間(4日) | 3万5千円前後 |
| 35時間コース | 自動車の運転免許を持たない人 | 35時間 | 3万9千円〜4万円前後 |
| 短いコース | 大型特殊免許を持つ人、1トン未満のフォークリフトの経験がある人など | 11〜15時間 | 1万4千円〜2万3千円前後 |
短いコースを受けられる条件(持っている免許の種類、特別教育を受けた後の経験の長さなど)は、講習機関の案内で必ず確かめてください。条件に合わないと受講できず、申込みのやり直しになります。
- 受講時間は告示(フォークリフト運転技能講習規程)で決まり、講習機関が案内している
- 厚生労働省のサイトに掲載のフォークリフト運転技能講習カリキュラム(31時間コース)
情報の確認時点:2026年10月。

講習の中身:学科7時間+実技24時間(31時間コース)
31時間コースの中身は、次のとおりです。最後に学科と実技の修了試験があり、合格すると技能講習修了証がもらえます。
この表の見方:上の3行が教室で学ぶ学科、下の2行が実際に運転する実技です。
| 区分 | 科目 | 時間 |
|---|---|---|
| 学科 | 荷役装置の構造及び取扱いの方法 | 4時間 |
| 学科 | 運転に必要な力学に関する知識 | 2時間 |
| 学科 | 関係法令 | 1時間 |
| 実技 | 走行の操作 | 20時間 |
| 実技 | 荷役の操作 | 4時間 |
実技の大半は「走行の操作」です。前進・後退・旋回など、荷を持たない状態での運転に多くの時間を使います。つまり、運転に慣れていない人ほど、この時間で基本を身につけることになります。
申込みから修了証までの流れ
講習機関を選ぶ。都道府県労働局に登録した講習機関(教習所や業界団体など)から、通いやすい場所と日程を選びます。
コースを確かめて申し込む。運転免許の有無などでコースが変わるので、免許証のコピーなどを用意します。
講習を受ける。学科と実技を、決められた時間すべて受けます。遅刻や欠席は補講が必要になることがあります。
修了試験に合格する。学科と実技の試験に合格すると、技能講習修了証が交付されます。
会社が記録する。修了証の写しを保管し、誰がどの車に乗れるかを一覧にしておきます。
自社の実情に合わせて書き換えて使ってください。

よくある間違い
| よくある間違い | 正しくは |
|---|---|
| 構内だけなら資格はいらない | 構内でも、1トン以上は技能講習、1トン未満は特別教育が必要 |
| 運転免許があれば運転できる | 道路交通法の運転免許と、荷役の資格は別。構内の荷役には技能講習などが必要 |
| 少しだけなら、資格のない人が運転してもよい | 短い時間でも、資格のない人に運転させるのは違反 |
| 1トン未満の特別教育で、1トン以上にも乗れる | 乗れない。1トン以上は技能講習が必要 |
資格のない人に1トン以上のフォークリフトを運転させると、第61条第1項の違反として、第119条により6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になります。第122条(両罰規定)により、会社にも罰金が科されます。
- 労働安全衛生法 第61条・第119条・第122条
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。
よくある質問
まとめ:最大荷重を確かめて、合うコースを選ぶ
- 最大荷重1トン以上のフォークリフトの運転には、フォークリフト運転技能講習の修了が必要です。1トン未満は特別教育です。
- 普通自動車免許などがあれば31時間(4日)、運転免許がなければ35時間が基本です。
- 費用は3万5千円〜4万円前後が目安。短いコースの条件は講習機関で確かめます。
- 資格のない人に運転させると、会社も罰せられます。
つまり、まず車体の銘板で最大荷重を確かめ、運転する人の免許に合ったコースを申し込めば迷いません。
メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに、職場の安全と健康のルールを図解しています。法令は厚生労働省の資料と条文で確認し、根拠を示して説明することを大切にしています。


