衛生管理者の選任|何人から何人選ぶか・専属と専任・14日以内の報告

衛生管理者の選任を示す図解。多くの作業者の前に立つ腕章をつけた衛生管理者のアイキャッチ 法令と管理体制

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従業員が50人を超えたら、衛生管理者は何人、いつまでに選ぶのか。

答え

常時50人以上の労働者を使用する事業場は、衛生管理者を選任しなければなりません。人数は50人以上200人以下で1人、200人を超え500人以下で2人と規模で増え、選任が必要になった日から14日以内に、その事業場に専属の人を選び、遅滞なく監督署に報告します(労働安全衛生規則第7条)。

ここから読む:必要な人数/専属・専任と業種で決まる免許/選任の手順と14日以内の報告

衛生管理者は、働く人の健康と職場環境を守る担当者です。この記事は「会社が何をしなければならないか」に絞って説明します。仕事の中身・免許の種類・試験の概要は、「衛生管理者とは」の記事にまとめています。

根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

何人の衛生管理者が必要か

人数は事業場ごとに、パート・アルバイト・派遣を含めて数えます。

事業場の人数(常時)衛生管理者の人数
50人以上200人以下1人以上
200人を超え500人以下2人以上
500人を超え1,000人以下3人以上
1,000人を超え2,000人以下4人以上
2,000人を超え3,000人以下5人以上
3,000人を超える6人以上

当てはめ例

どれも架空の例です。

事業場の例(架空)必要な人数と注意
正社員45人+パート10人の工場55人なので1人。正社員だけで数えて「不要」としがち
本社30人と工場120人の会社本社は不要(衛生推進者を選ぶ)、工場は1人。会社全体の150人で考えない
夜勤のある1,200人の工場4人。1,000人を超えるので、うち1人は専任
根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

事業場の人数で増える衛生管理者の図。50〜200人で1人、200〜500人で2人、500〜1,000人で3人

専属・専任と、業種で決まる免許

専属

  • その事業場で働いている人を選ぶ
  • ほかの会社や事業場の人は選べない
  • すべての衛生管理者に必要(例外あり)

専任

  • 衛生管理者の仕事だけをする(ほかの仕事を兼ねない)
  • 常時1,000人を超える事業場などで、少なくとも1人
  • 有害な業務が多い500人を超える事業場も

2人以上選ぶ場合で、その中に労働衛生コンサルタントがいるときは、そのうち1人は専属でなくてもかまいません。

医師・歯科医師・労働衛生コンサルタントなども選べます(規則第10条)。

業種選べる免許
製造業・建設業・運送業・電気業・ガス業・水道業・熱供給業・医療業・清掃業・自動車整備業・機械修理業・農林畜水産業・鉱業第一種衛生管理者、衛生工学衛生管理者
そのほかの業種(小売業・金融業・情報サービス業など)第一種、第二種、衛生工学のどれでもよい
注意|ここで間違えやすい

資格のある人がいないまま50人以上になってしまうと、14日以内の選任に間に合いません。衛生管理者の免許は国家試験に合格する必要があるので、人数が50人に近づいたら、早めに社員に受験してもらいましょう。

根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

衛生管理者の専属と専任の違いの図。専属はその事業場で働く人、専任は衛生管理者の仕事だけをする人
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選任の手順と、選任後の仕事

STEP 1

14日以内に選ぶ。人数が50人以上になった日、前の衛生管理者が辞めた日などから14日以内です。

STEP 2

監督署に報告する。遅滞なく、電子申請で所轄の労働基準監督署に報告します。免許証の写しなど、資格がわかるものを添えます。

STEP 3

権限を与える。衛生に関する措置ができる権限を与えます(規則第11条第2項)。

STEP 4

毎週1回巡視してもらう。少なくとも毎週1回、作業場を見回り、有害なおそれがあれば直ちに措置します(規則第11条第1項)。

衛生管理者の選任チェックリスト
  • □ 事業場ごとの人数を、パート・派遣を含めて数えた
  • □ 業種に合う免許を持つ人がいる(製造業などは第一種)
  • □ 必要な人数をそろえた(200人を超えたら2人など)
  • □ 選任から14日以内に、電子申請で報告した
  • □ 毎週の巡視の記録を残している
  • □ 衛生委員会のメンバーに衛生管理者を入れた

義務(罰則あり) 衛生管理者を選任しないと、労働安全衛生法第120条により50万円以下の罰金の対象になります。やむを得ない事情で選任できないときは、都道府県労働局長の許可を受ける特例があります(規則第8条)。

根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

衛生管理者の選任の流れの図。14日以内に選び、電子申請で報告し、権限を与え、毎週巡視する

よくある質問

Q. 衛生管理者の選任は何人から必要ですか?

A. 常時50人以上の労働者を使用する事業場で必要です。パートや派遣も含めて、事業場ごとに数えます。

Q. 衛生管理者は何人選べばいいですか?

A. 50人以上200人以下で1人、200人を超え500人以下で2人など、事業場の人数に応じて増えます。

Q. 衛生管理者の選任期限は?

A. 選任が必要になった日から14日以内です。選任したら、遅滞なく電子申請で監督署に報告します。

Q. 専属と専任の違いは何ですか?

A. 専属はその事業場で働く人であること、専任は衛生管理者の仕事だけをしてほかの仕事を兼ねないことです。

Q. 製造業で第二種衛生管理者を選べますか?

A. 選べません。製造業・建設業・運送業などは、第一種か衛生工学の衛生管理者を選任します。

まとめ:人数を数えて、業種に合う免許の人を14日以内に

POINT
  • 常時50人以上の事業場は、衛生管理者の選任が義務です。人数は事業場ごとに、パートも含めて数えます。
  • 50〜200人で1人、200人を超えると2人など、規模で必要な人数が増えます。
  • その事業場に専属の人を選びます。1,000人を超えると専任も必要です。
  • 14日以内に選任して電子申請で報告し、毎週1回の巡視をしてもらいます。

つまり、人数が50人に近づいた段階で、業種に合う免許を持つ人を準備しておけば、慌てずに選任できます。

S
シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに、職場の安全と健康のルールを図解しています。法令は厚生労働省の資料と条文で確認し、根拠を示して説明することを大切にしています。

次に読むべき記事

衛生管理者の選任がわかったら、同じく50人以上で必要になる産業医や衛生委員会も確かめておきましょう。

労働安全衛生法とは|目的・全体像と会社の義務を人数別に図解
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