安全衛生委員会とは|安全委員会・衛生委員会との違いと設置基準

安全衛生委員会とは何かを示す図解。工場の管理者・作業者・産業医が会議をする様子を描いたアイキャッチ 法令と管理体制
お悩み
こんなふうに思っていませんか?
  • 安全衛生委員会と衛生委員会、安全委員会の違いがわからない
  • うちの会社は、どの委員会をいつから作らないといけないのか知りたい
  • 委員会のメンバーや、毎月やることを確かめたい
この記事でわかること
  • 3つの委員会の違い(目的・必要な職場・メンバー)
  • 業種と人数で決まる設置基準
  • 毎月の開き方と、記録の保存
結論|まず30秒でわかる答え

衛生委員会は常時50人以上のすべての事業場で、安全委員会は製造業・建設業など決められた業種で常時50人または100人以上の事業場で、設置が必要です。両方が必要な事業場は、2つの代わりに安全衛生委員会を1つ設けることができます(労働安全衛生法第17条〜第19条)。

かんたんに言うと、安全衛生委員会は「安全委員会と衛生委員会を1つにまとめたもの」です。まとめるかどうかは会社が選べますが、多くの事業場では、まとめて毎月1回開いています。

根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

3つの委員会の違い

この表の見方:左から順に「名前 → 何を話し合うか → どんな事業場で必要か → 誰が出るか」です。

委員会話し合うこと必要な事業場主なメンバー
安全委員会けがや事故を防ぐ対策決められた業種で、常時50人以上または100人以上安全管理者、安全の経験がある労働者
衛生委員会健康障害を防ぎ、健康を守る対策業種を問わず、常時50人以上衛生管理者、産業医、衛生の経験がある労働者
安全衛生委員会安全と衛生の両方上の2つがどちらも必要な事業場(代わりに設けることができる)上の2つのメンバーを合わせたもの

委員会の役目は、会社が決めた対策をただ聞くことではありません。法律では「調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせる」と書かれています。かんたんに言うと、働く人の意見も入れて安全と健康の対策を話し合い、会社に意見を出す場です。

根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

安全委員会と衛生委員会を1つにまとめたものが安全衛生委員会であることを示した図

設置基準:業種と人数で決まる

安全委員会が必要な業種と人数

この表の見方:上の行の業種は50人から、下の行の業種は100人から必要です。表にない業種(金融業・保険業など)は、安全委員会は必要ありません。

人数業種
常時50人以上林業、鉱業、建設業、製造業のうち木材・木製品・化学工業・鉄鋼業・金属製品・輸送用機械器具、道路貨物運送業、港湾運送業、自動車整備業、機械修理業、清掃業
常時100人以上上の業種以外の製造業、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業・小売業、旅館業、ゴルフ場業など

衛生委員会は、業種に関係なく、常時50人以上の労働者を使用する事業場で必要です(施行令第9条)。同じ常時50人以上の事業場では、委員会のメンバーにもなる衛生管理者の選任も必要です。仕事と免許は「衛生管理者とは」の記事で解説しています。

判定フロー

Q1 その事業場で、パート・派遣を含めて常時50人以上が働いていますか?
はい → →Q2へ
いいえ → 委員会の設置義務はなし。ただし、働く人の意見を聴く機会を設ける(規則第23条の2)
▼
Q2 安全委員会が必要な業種で、その人数(50人または100人)以上ですか?
はい → 安全委員会と衛生委員会。まとめて安全衛生委員会にしてもよい
いいえ → 衛生委員会だけが必要

当てはめ例

この表の見方:どれも架空の例です。人数は事業場ごとに、パート・派遣を含めて数えます。

職場の例(架空)必要な委員会
金属製品の工場(80人)安全委員会と衛生委員会(→安全衛生委員会にまとめられる)
食品工場(80人)衛生委員会だけ(食品製造業は100人から安全委員会)
保険会社の事務所(60人)衛生委員会だけ
根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

安全衛生委員会の設置基準の図。衛生委員会は全業種で50人以上、安全委員会は業種により50人以上か100人以上

メンバーと議長の決まり

安全衛生委員会のメンバーは、法律で次のように決まっています(第19条第2項)。

メンバー選び方
1. 議長になる人(1人)総括安全衛生管理者、または工場長など事業の実施を統括管理する人やそれに準ずる人から、会社が指名
2. 安全管理者・衛生管理者会社が指名
3. 産業医会社が指名
4. 安全の経験がある労働者会社が指名
5. 衛生の経験がある労働者会社が指名
注意|ここで間違えやすい

議長以外のメンバーの半数は、労働者の過半数で作る労働組合(なければ労働者の過半数を代表する人)の推薦にもとづいて指名しなければなりません(第17条第4項を準用)。会社が全員を自由に選べるわけではない点に注意してください。

作業環境測定を行っている作業環境測定士がいれば、メンバーに加えることもできます(第19条第3項)。

根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

安全衛生委員会のメンバーの図。議長と、安全管理者・衛生管理者・産業医・労働者で構成し、半数は労働者側の推薦

委員会の開き方:毎月1回以上・記録は3年

STEP 1

毎月1回以上開く。安全委員会・衛生委員会・安全衛生委員会のどれも同じです(規則第23条第1項)。

STEP 2

決められた事項を話し合う。規程の作成、リスクアセスメント、年間の計画、教育の計画、健康診断の結果への対策、長時間労働やメンタルヘルスの対策などです(規則第21条・第22条)。

STEP 3

議事の概要を知らせる。開くたびに遅滞なく(事情が許すかぎり早く)、掲示・書面の配布・社内のデータで見られるようにする、のどれかで労働者に知らせます(規則第23条第3項)。

STEP 4

記録を3年間保存する。委員会の意見と、それを受けて会社がしたことなどを記録し、3年間保存します(規則第23条第4項)。

委員会を開く前のチェックリスト
  • □ 今月の議題を決めた(健康診断・職場巡視の結果・ヒヤリハットなど)
  • □ 議長以外のメンバーの半数が、労働者側の推薦にもとづいている
  • □ 産業医の出席(または意見の確認)の予定を立てた
  • □ 前回の議事の概要を、労働者に知らせた
  • □ 前回の記録を保存した(3年間)
根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

安全衛生委員会を毎月1回以上開き、話し合い、議事の概要を知らせ、記録を3年間保存する流れの図

義務の強さと、よくある間違い

義務(罰則あり) 安全委員会・衛生委員会を設けない場合は、第120条により50万円以下の罰金の対象になります。安全衛生委員会は「代わりに設けることができる」ものなので、まとめて作れば両方の義務を果たしたことになります。

よくある間違い正しくは
50人以上なら、どの会社も安全委員会が必要安全委員会は業種で決まる。全業種で必要なのは衛生委員会
委員会は会社が選んだ人だけで作ればよい議長以外の半数は、労働者側の推薦にもとづいて指名する
忙しい月は開かなくてもよい毎月1回以上開く
50人未満は何もしなくてよい委員会がない事業場も、働く人の意見を聴く機会を設ける
根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

よくある質問

Q. 安全衛生委員会とは何ですか?

A. 安全委員会と衛生委員会の両方が必要な事業場が、2つの代わりに設けられる1つの委員会です。

Q. 衛生委員会は何人から必要ですか?

A. 業種に関係なく、常時50人以上の労働者を使用する事業場で設置が必要です。パートや派遣も数えます。

Q. 安全委員会が必要な業種は?

A. 製造業・建設業・運送業など決められた業種です。業種により常時50人以上か100人以上で必要です。

Q. 安全衛生委員会はどのくらいの頻度で開きますか?

A. 毎月1回以上です。開くたびに議事の概要を労働者に知らせ、記録を3年間保存します。

Q. 50人未満の会社に委員会は必要ですか?

A. 設置の義務はありません。ただし、安全や衛生について働く人の意見を聴く機会を設ける必要があります。

まとめ:50人以上なら衛生委員会、業種によっては安全委員会も

POINT
  • 衛生委員会は、業種を問わず常時50人以上の事業場で必要です。
  • 安全委員会は、決められた業種で常時50人または100人以上の事業場で必要です。
  • 両方が必要なら、まとめて安全衛生委員会にできます。
  • 毎月1回以上開き、議事の概要を知らせ、記録を3年間保存します。議長以外の半数は労働者側の推薦で選びます。

つまり、まず事業場の人数と業種を確かめ、必要な委員会を作ったら、毎月の開催と記録を習慣にすることが大切です。

S
シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに、職場の安全と健康のルールを図解しています。法令は厚生労働省の資料と条文で確認し、根拠を示して説明することを大切にしています。

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