保護具着用管理責任者教育(講習)の時間。第一種衛生管理者や化学物質関係の作業主任者などがいなければ、この教育を受けた人から選びます。
保護具着用管理責任者は、化学物質管理者を選任した事業場で、リスクアセスメントの結果にもとづいて労働者に保護具を使わせるときに選任する人です(労働安全衛生規則第12条の6)。保護具の選択・使用・保守管理を担当し、第一種衛生管理者や化学物質関係の作業主任者など保護具の知識と経験がある人から、いなければ6時間の保護具着用管理責任者教育を受けた人から、14日以内に選びます。
かんたんに言うと、「マスクや手袋が、その化学物質に合っていて、正しく着けられ、手入れされているか」に責任を持つ人です。保護具は、合わないものを使ったり、着け方を間違えたりすると、着けていないのと同じになってしまうためです。
- 労働安全衛生規則 第12条の6
- 労働安全衛生規則等の一部を改正する省令等の施行について(基発0531第9号)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
- 厚生労働省「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令等の施行について」(令和4年5月31日 基発0531第9号)
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。
選任が必要な職場
いいえ → 化学物質管理者も保護具着用管理責任者も不要
いいえ → 選任は不要(化学物質管理者は必要)
この決まりは2024年4月1日から始まりました。事業場の人数や業種に関係なく、上の条件にあてはまれば選任が必要です。
当てはめ例
どれも架空の例です。
| 職場の例(架空) | 選任は必要か |
|---|---|
| 塗装工場。リスクアセスメントの結果、防毒マスクを使わせている | 必要 |
| 清掃会社。洗剤(SDSのある物)を使い、結果にもとづいてゴム手袋と保護メガネを使わせている | 必要 |
| 事務所。コピー機のトナーを交換するだけで、保護具は使わせていない | 不要 |
保護具着用管理責任者の前に選ぶ、化学物質管理者の決まりがわかる
- 労働安全衛生規則 第12条の5・第12条の6第1項
- 基発0531第9号 第1の4(施行日)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
- 厚生労働省「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令等の施行について」(令和4年5月31日 基発0531第9号)
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

選べる人(資格要件)と、6時間の講習
保護具着用管理責任者は、「保護具に関する知識及び経験を有すると認められる者」から選びます(規則第12条の6第2項)。厚生労働省の通達では、次の人が含まれるとされています。
①〜⑥にあてはまる人がいなければ、保護具着用管理責任者教育を受けた人を選びます。あてはまる人でも、教育を受けることが望ましいとされています。
| 選べる人 | 中身 |
|---|---|
| ① 化学物質管理専門家 | 化学物質管理の専門家の要件にあてはまる人 |
| ② 作業環境管理専門家 | 作業環境管理の専門家の要件にあてはまる人 |
| ③ 労働衛生コンサルタント | 労働衛生コンサルタント試験に合格した人 |
| ④ 第一種衛生管理者・衛生工学衛生管理者 | その免許を受けた人(第二種は含まれない) |
| ⑤ 化学物質関係の作業主任者 | 特定化学物質・鉛・四アルキル鉛・有機溶剤の作業主任者の資格がある人 |
| ⑥ 安全衛生推進者の資格がある人 | 安全衛生推進者の講習を修了した人など |
保護具着用管理責任者教育(計6時間)
学科はオンラインでもよいとされています。会社が自分で行うこともでき、その場合は受けた人と科目の記録を残します。
| 区分 | 科目 | 時間 |
|---|---|---|
| 学科 | 保護具着用管理責任者の役割と職務、教育の方法 | 0.5時間 |
| 学科 | 保護具の選択・使用・保守管理の知識 | 3時間 |
| 学科 | 保護具の使用で気をつける労働災害の事例と防止 | 1時間 |
| 学科 | 関係法令 | 0.5時間 |
| 実技 | 保護具の使用方法など | 1時間 |
- 労働安全衛生規則 第12条の6第2項
- 基発0531第9号 第4の2(2)
- 保護具着用管理責任者に対する教育の実施について(基安化発1226第1号)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
- 厚生労働省「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令等の施行について」(令和4年5月31日 基発0531第9号)
- 厚生労働省「保護具着用管理責任者に対する教育の実施について」(令和4年12月26日 基安化発1226第1号)
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

3つの仕事と、選任の手順
呼吸用保護具は「防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について」、手袋は「化学防護手袋の選択、使用等について」の通達にもとづいて行います。
| 仕事 | 例 |
|---|---|
| 保護具の適正な選択 | 使う化学物質と作業に合う防毒マスクの吸収缶、化学防護手袋の材質を選ぶ |
| 保護具の適正な使用 | マスクが顔に密着しているか確かめる、手袋の使用時間を決める |
| 保護具の保守管理 | 吸収缶やフィルタの交換の時期を決めて記録する、傷んだ手袋を捨てる |
14日以内に選ぶ。保護具を使わせることになった日などから14日以内に、事業場ごとに選びます。大きな事業場では複数人でもかまいません。
権限を与える。保護具を選んだり、使い方を指導したりできる権限を与えます。それにふさわしい役職の人が望ましいとされています。
氏名を知らせる。氏名を事業場の見やすい場所に掲示するか、腕章・帽子・社内のネットワークなどで知らせます。
作業主任者が保護具着用管理責任者を兼ねてもかまいません(仕事に支障がない範囲で)。化学物質管理者と同じ人が兼ねることについては決まりがないので、仕事の量を見て決めましょう。
- □ 保護具を使わせている作業と、使っている保護具を一覧にした
- □ ①〜⑥にあてはまる人を選んだ(いなければ6時間の教育を受けてもらった)
- □ 14日以内に選び、氏名を掲示した
- □ 吸収缶・フィルタ・手袋の交換の時期を決め、記録している
- □ マスクの密着の確認や、手袋の使い方を作業者に教えている
義務 保護具着用管理責任者の選任は、条件にあてはまる事業場の義務です。
頭から足まで、職場で使う保護具の種類と選び方がわかる
- 労働安全衛生規則 第12条の6第1項・第3項・第4項
- 基発0531第9号 第4の2(1)・(3)・(4)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
- 厚生労働省「労働安全衛生規則等の一部を改正する省令等の施行について」(令和4年5月31日 基発0531第9号)
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

よくある質問
まとめ:保護具を使わせるなら、選び方と手入れの責任者を
- 保護具着用管理責任者は、化学物質の作業で保護具を使わせるときに選任します。
- 仕事は、保護具の選択・使用・保守管理の3つです。
- 第一種衛生管理者・作業主任者などから選び、いなければ6時間の教育を受けた人を選びます。
- 14日以内に選び、権限を与え、氏名を掲示します。
つまり、リスクアセスメントで保護具が必要と決まったら、すぐに責任者を決め、保護具の交換と使い方の確認を仕組みにすることが大切です。
メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに、職場の安全と健康のルールを図解しています。法令は厚生労働省の資料と条文で確認し、根拠を示して説明することを大切にしています。


