保護具着用管理責任者とは|6時間の講習・資格要件と選任が必要な職場

保護具着用管理責任者を示す図解。作業者の防毒マスクの着け方を確かめる責任者のアイキャッチ 化学物質
6時間

保護具着用管理責任者教育(講習)の時間。第一種衛生管理者や化学物質関係の作業主任者などがいなければ、この教育を受けた人から選びます。

選任の要点

保護具着用管理責任者は、化学物質管理者を選任した事業場で、リスクアセスメントの結果にもとづいて労働者に保護具を使わせるときに選任する人です(労働安全衛生規則第12条の6)。保護具の選択・使用・保守管理を担当し、第一種衛生管理者や化学物質関係の作業主任者など保護具の知識と経験がある人から、いなければ6時間の保護具着用管理責任者教育を受けた人から、14日以内に選びます。

先に読む所:選べる人と6時間の講習/選任が必要な職場/仕事と選任の手順(氏名の掲示)

かんたんに言うと、「マスクや手袋が、その化学物質に合っていて、正しく着けられ、手入れされているか」に責任を持つ人です。保護具は、合わないものを使ったり、着け方を間違えたりすると、着けていないのと同じになってしまうためです。

根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

選任が必要な職場

Q1 リスクアセスメント対象物(SDSの交付が必要な化学物質など)を製造し、または取り扱っていますか?
はい → →Q2へ
いいえ → 化学物質管理者も保護具着用管理責任者も不要
▼
Q2 リスクアセスメントの結果、防毒マスク・化学防護手袋・保護メガネなどの保護具を使わせていますか?
はい → 保護具着用管理責任者を選任する(14日以内)
いいえ → 選任は不要(化学物質管理者は必要)

この決まりは2024年4月1日から始まりました。事業場の人数や業種に関係なく、上の条件にあてはまれば選任が必要です。

当てはめ例

どれも架空の例です。

職場の例(架空)選任は必要か
塗装工場。リスクアセスメントの結果、防毒マスクを使わせている必要
清掃会社。洗剤(SDSのある物)を使い、結果にもとづいてゴム手袋と保護メガネを使わせている必要
事務所。コピー機のトナーを交換するだけで、保護具は使わせていない不要
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根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

保護具着用管理責任者が必要な職場の図。化学物質を扱い、リスクアセスメントで保護具が必要と判断し、保護具を使わせるときは14日以内に選任

選べる人(資格要件)と、6時間の講習

保護具着用管理責任者は、「保護具に関する知識及び経験を有すると認められる者」から選びます(規則第12条の6第2項)。厚生労働省の通達では、次の人が含まれるとされています。

①〜⑥にあてはまる人がいなければ、保護具着用管理責任者教育を受けた人を選びます。あてはまる人でも、教育を受けることが望ましいとされています。

選べる人中身
① 化学物質管理専門家化学物質管理の専門家の要件にあてはまる人
② 作業環境管理専門家作業環境管理の専門家の要件にあてはまる人
③ 労働衛生コンサルタント労働衛生コンサルタント試験に合格した人
④ 第一種衛生管理者・衛生工学衛生管理者その免許を受けた人(第二種は含まれない)
⑤ 化学物質関係の作業主任者特定化学物質・鉛・四アルキル鉛・有機溶剤の作業主任者の資格がある人
⑥ 安全衛生推進者の資格がある人安全衛生推進者の講習を修了した人など

保護具着用管理責任者教育(計6時間)

学科はオンラインでもよいとされています。会社が自分で行うこともでき、その場合は受けた人と科目の記録を残します。

区分科目時間
学科保護具着用管理責任者の役割と職務、教育の方法0.5時間
学科保護具の選択・使用・保守管理の知識3時間
学科保護具の使用で気をつける労働災害の事例と防止1時間
学科関係法令0.5時間
実技保護具の使用方法など1時間
根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

保護具着用管理責任者に選べる人の図。第一種衛生管理者や作業主任者など知識と経験がある人、いなければ6時間の教育を受けた人

3つの仕事と、選任の手順

呼吸用保護具は「防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の選択、使用等について」、手袋は「化学防護手袋の選択、使用等について」の通達にもとづいて行います。

仕事例
保護具の適正な選択使う化学物質と作業に合う防毒マスクの吸収缶、化学防護手袋の材質を選ぶ
保護具の適正な使用マスクが顔に密着しているか確かめる、手袋の使用時間を決める
保護具の保守管理吸収缶やフィルタの交換の時期を決めて記録する、傷んだ手袋を捨てる
STEP 1

14日以内に選ぶ。保護具を使わせることになった日などから14日以内に、事業場ごとに選びます。大きな事業場では複数人でもかまいません。

STEP 2

権限を与える。保護具を選んだり、使い方を指導したりできる権限を与えます。それにふさわしい役職の人が望ましいとされています。

STEP 3

氏名を知らせる。氏名を事業場の見やすい場所に掲示するか、腕章・帽子・社内のネットワークなどで知らせます。

POINT

作業主任者が保護具着用管理責任者を兼ねてもかまいません(仕事に支障がない範囲で)。化学物質管理者と同じ人が兼ねることについては決まりがないので、仕事の量を見て決めましょう。

保護具着用管理責任者のチェックリスト
  • □ 保護具を使わせている作業と、使っている保護具を一覧にした
  • □ ①〜⑥にあてはまる人を選んだ(いなければ6時間の教育を受けてもらった)
  • □ 14日以内に選び、氏名を掲示した
  • □ 吸収缶・フィルタ・手袋の交換の時期を決め、記録している
  • □ マスクの密着の確認や、手袋の使い方を作業者に教えている

義務 保護具着用管理責任者の選任は、条件にあてはまる事業場の義務です。

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根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

保護具着用管理責任者の3つの仕事の図。化学物質に合う保護具を選び、密着や着け方を確かめて正しく使わせ、交換の時期を記録して手入れする

よくある質問

Q. 保護具着用管理責任者とは何ですか?

A. 化学物質を扱う職場で、リスクアセスメントの結果、保護具を使わせるときに選任し、保護具の選択・使用・保守管理を担当する人です。

Q. 保護具着用管理責任者はどんな職場で必要ですか?

A. 化学物質管理者を選任した事業場で、リスクアセスメントの結果にもとづいて労働者に保護具を使わせるときに必要です。

Q. 保護具着用管理責任者に資格は必要ですか?

A. 第一種衛生管理者や化学物質関係の作業主任者など、保護具の知識と経験がある人から選びます。いなければ6時間の教育を受けた人を選びます。

Q. 保護具着用管理責任者の教育は何時間ですか?

A. 学科5時間と実技1時間の計6時間です。学科はオンラインでもよく、会社が自分で行うこともできます。

Q. 作業主任者と保護具着用管理責任者は兼任できますか?

A. 兼任できます。通達で、職務の実施に支障がない範囲で、作業主任者が保護具着用管理責任者を兼ねてもよいとされています。

まとめ:保護具を使わせるなら、選び方と手入れの責任者を

POINT
  • 保護具着用管理責任者は、化学物質の作業で保護具を使わせるときに選任します。
  • 仕事は、保護具の選択・使用・保守管理の3つです。
  • 第一種衛生管理者・作業主任者などから選び、いなければ6時間の教育を受けた人を選びます。
  • 14日以内に選び、権限を与え、氏名を掲示します。

つまり、リスクアセスメントで保護具が必要と決まったら、すぐに責任者を決め、保護具の交換と使い方の確認を仕組みにすることが大切です。

S
シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに、職場の安全と健康のルールを図解しています。法令は厚生労働省の資料と条文で確認し、根拠を示して説明することを大切にしています。

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