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- 高い所の作業で、どこから手すりや安全帯が必要なのかわからない
- フルハーネスを着けていれば大丈夫だと思っていた
- 脚立やはしごの使い方にも決まりがあるのか知りたい
- 墜落・転落を防ぐ決まりの基本(高さ2メートル)
- 対策の順番(作業床→手すり→器具)
- 脚立・はしご・屋根など場面ごとの決まりと、現場のチェックリスト
墜落・転落災害を防ぐ基本は、高さ2メートル以上の場所では、まず作業床を設け、端や開口部に手すり・囲いを付けることです。それが難しいときに、防網を張り、墜落制止用器具(フルハーネスなど)を使わせます(労働安全衛生規則第518条・第519条)。器具は最後の手段で、設備で落ちない状態をつくるのが先です。
「墜落」は高い所から落ちること、「転落」は階段や斜面を転がり落ちることです。どちらも、高さ2メートルを目安に、法令でやるべきことが決まっています。
- 労働安全衛生規則 第518条(作業床の設置等)・第519条(囲い等)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。
高さ別の決まりの早見表
この表の見方:上から高さの順です。高くなるほど決まりが増えます。
| 高さ | 決まり | 根拠 |
|---|---|---|
| 1.5メートルを超える | 安全に上り下りする設備(はしご・階段など)を設ける | 規則第526条 |
| 2メートル以上 | 作業床を設ける。端や開口部には手すり・囲い・覆いを付ける | 規則第518条・第519条 |
| 2メートル以上(作業床が難しい) | 防網を張る、墜落制止用器具を使わせる。器具を取り付ける設備も設ける | 規則第518条第2項・第521条 |
| 2メートル以上 | 強風・大雨・大雪など悪天候で危険なときは作業させない。必要な明るさを保つ | 規則第522条・第523条 |
| 6.75メートルを超える | 墜落制止用器具はフルハーネス型が原則(建設業はガイドラインで5メートルを超えたら) | 規格・ガイドライン |
フルハーネスが原則になる高さと、旧規格品の見分け方がわかる
- 労働安全衛生規則 第518条〜第523条・第526条
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

対策の順番:設備で守ってから、器具で守る
作業床を設ける。足場や作業台で、しっかりした床の上で作業できるようにします。
手すり・囲い・覆いを付ける。床の端や開口部から落ちないようにします。足場や通路の手すりは高さ85センチメートル以上で、間に中さん(35〜50センチメートル)を設けます(規則第552条・第563条など)。
防網を張る。床や手すりが難しいところには、落ちても受け止める網を張ります。
墜落制止用器具を使わせる。最後の手段として、フルハーネス型などを使わせ、フックを掛ける設備を設けます。
「フルハーネスを着けていれば大丈夫」は間違いです。器具は、落ちたあとに体を止めるものです。フックを掛ける場所がない、掛けていない、地面までの高さが足りない、といったことで役に立たないこともあります。まず落ちない状態を設備でつくりましょう。
- 労働安全衛生規則 第518条・第519条・第552条・第563条
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

床や手すりを設けられない場所で、最後の手段として使う墜落制止用器具は、新しい規格に合ったものを選びます。タジマの「ハーネスGS 蛇腹 ダブルL2セット」(A1GSMJR-WL2BK・Mサイズ)は、フルハーネスと、伸び縮みする蛇腹式のランヤード2本のセットです。販売ページの表示では、厚生労働省の「墜落制止用器具の規格」に適合し、ランヤードはタイプ1(腰の高さ以上にフックを掛けて使う種類)、使用可能質量は100kg以下、参考適合身長は165〜175cmです。体格に合うサイズを選び、特別教育を受けたうえで、使う前に点検してから正しく着けてください。
場面ごとの決まり
| 場面 | 主な決まり | 根拠 |
|---|---|---|
| 脚立 | 脚と水平面の角度は75度以下。開き止めの金具があること | 規則第528条 |
| 移動はしご | 幅30センチメートル以上。すべり止めなどで転位を防ぐ | 規則第527条 |
| スレートの屋根 | 踏み抜きのおそれがあれば、幅30センチメートル以上の歩み板を設け、防網を張る | 規則第524条 |
| 足場の作業床 | 幅40センチメートル以上、床材のすき間3センチメートル以下 | 規則第563条 |
当てはめ例
この表の見方:どれも架空の例です。実際は現場ごとに危険を確かめて決めます。
| 場面の例(架空) | 必要な対策 |
|---|---|
| 工場の中二階(高さ3メートル)で荷物を受け渡す | 端に手すり(85センチメートル以上と中さん)を付ける。外す時間だけ器具を使わせる |
| 倉庫の屋根(スレート、高さ6メートル)の点検 | 歩み板と防網。器具を掛ける親綱を張る。雨や強風の日は行わない |
| 事務所で脚立に上って照明を替える | 開き止めを確かめ、天板には乗らない。2人1組で脚立を押さえる |
- 労働安全衛生規則 第524条・第527条・第528条・第563条
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

現場のチェックリスト
- □ 高さ2メートル以上の作業場所に、作業床がある
- □ 作業床の端・開口部に、手すり(85センチメートル以上)と中さん、または囲い・覆いがある
- □ 手すりを外す作業では、防網か墜落制止用器具を使わせている
- □ 墜落制止用器具を掛ける設備(親綱・アンカー)がある
- □ 6.75メートルを超える場所では、フルハーネス型を使わせ、特別教育を行った
- □ 1.5メートルを超える場所に、はしごや階段がある
- □ 脚立の開き止めを確かめ、天板の上で作業させていない
- □ 強風・大雨・大雪の日は、高い所の作業を中止するルールがある
義務(罰則あり) 第518条・第519条などは、労働安全衛生法第21条(墜落などの危険を防ぐ措置)にもとづく義務で、違反すると第119条により6か月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象です。
- 労働安全衛生法 第21条・第119条
- 労働安全衛生規則 第518条〜第528条
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。
よくある質問
まとめ:2メートルから、床と手すりが先
- 高さ2メートル以上では、作業床を設け、端や開口部に手すり・囲いを付けます。
- それが難しいときに、防網と墜落制止用器具を使わせます。器具は最後の手段です。
- 手すりは85センチメートル以上と中さん。1.5メートルを超えたら昇降設備も必要です。
- 脚立は75度以下で開き止めを。悪天候の日は高所作業を中止します。
つまり、高い所の作業では「落ちない設備」を先に整え、それでも残る危険に器具で備える、という順番が基本です。
メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに、職場の安全と健康のルールを図解しています。法令は厚生労働省の資料と条文で確認し、根拠を示して説明することを大切にしています。


