※この記事にはプロモーションが含まれています。
- 保護具の種類が多すぎて、何をそろえればいいのかわからない
- 国家検定が必要な保護具と、そうでないものの違いを知りたい
- 会社が保護具を用意する義務がどこまであるのか確かめたい
- 保護具の種類を部位別に一覧で
- 型式検定が必要なものと、JISで選ぶもの
- 会社の備える義務と、働く人の使う義務
保護具は、頭・目と顔・呼吸・耳・手・体・足・墜落防止の8つの部位に分けると整理しやすくなります。防じんマスク・防毒マスク・保護帽(ヘルメット)などは国の型式検定に合格したものだけを使い、会社は有害な業務に合った保護具を、同時に働く人数以上そろえて清潔に保つ義務があります(労働安全衛生規則第596条)。
保護具は、作業の危険を取り除けなかったときに、最後に体を守るものです。かんたんに言うと「最後の守り」なので、まず設備や作業方法で危険を減らし、それでも残る危険に合わせて選びます。
- 労働安全衛生法施行令 第14条の2(型式検定を受けるべき機械等)
- 労働安全衛生規則 第593条〜第597条(保護具)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。
保護具の種類一覧(部位別)
この表の見方:上から頭→足の順です。右の列が、選ぶときにまず見るところです。
| 部位 | 主な保護具 | 選ぶときの基準 |
|---|---|---|
| 頭 | 保護帽(ヘルメット) | 型式検定。「飛来・落下用」「墜落時保護用」の区分を見る |
| 目と顔 | 保護めがね・ゴーグル・防災面・遮光めがね | JIS T 8147 など。飛来物か、薬液か、溶接の光かで選ぶ |
| 呼吸 | 防じんマスク・防毒マスク・電動ファン付き呼吸用保護具・送気マスク | 防じん・防毒・電動ファン付きは型式検定。物質と濃度で選ぶ |
| 耳 | 耳栓・イヤーマフ | 騒音の大きさに合う遮音値で選ぶ |
| 手 | 作業手袋・耐切創手袋・化学防護手袋・絶縁用手袋 | 切り傷・薬液・電気など、守るものに合わせる |
| 体 | 保護衣・化学防護服・反射ベスト・空調服 | 薬液のしみこみ、暑さ、見えにくさなどに合わせる |
| 足 | 安全靴・プロテクティブスニーカー・長靴 | JIS T 8101(安全靴)など。つま先の強さと滑りにくさ |
| 墜落防止 | 墜落制止用器具(フルハーネス型・胴ベルト型) | 国の規格。高さ6.75メートルを超えるならフルハーネス型 |
墜落防止の器具の高さの基準と、旧規格品の見分け方がわかる
- 労働安全衛生法施行令 第13条・第14条の2
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

型式検定・規格・JISの違い
保護具には、国が検定する「型式検定」、国が決めた「規格」、日本の工業規格である「JIS」の3つの基準があります。
この表の見方:上ほど法律で厳しく決まっています。
| 基準 | 中身 | 主な保護具 |
|---|---|---|
| 型式検定(国家検定) | 国の検定に合格した型だけを売り、使える。検定合格の標章がつく | 防じんマスク・防毒マスク・保護帽・電動ファン付き呼吸用保護具・高い電圧用の絶縁用保護具 |
| 国の規格 | 国が決めた構造の規格に合ったものを使う | 墜落制止用器具 |
| JIS | 法律の検定ではないが、性能の目安になる工業規格 | 安全靴・保護めがね・耳栓など |
型式検定の対象の保護具は、検定に合格していないものを使ってはいけません。通信販売などで買うときは、検定合格の標章と型式の番号を必ず確かめましょう。
- 労働安全衛生法 第42条(規格)・第44条の2(型式検定)
- 労働安全衛生法施行令 第13条・第14条の2
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法」
- e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

会社の義務と、働く人の義務
| 決まり | 中身 | 条文 |
|---|---|---|
| 備える | 暑い・寒い・有害物・有害な光・粉じんなどの業務では、保護衣・保護めがね・呼吸用保護具などを備える | 規則第593条 |
| 皮膚と目を守る | 皮膚や目を傷める物、皮膚から吸収される物を扱う業務では、手袋・保護衣・保護めがねなどを備える | 規則第594条・第594条の2 |
| 騒音 | 強烈な騒音の場所では、耳栓などを備える | 規則第595条 |
| 数と手入れ | 同時に働く人数と同じ数以上をそろえ、いつも使える状態で清潔に保つ | 規則第596条 |
| 使う | 働く人は、会社から使うよう命じられたら使わなければならない | 規則第597条 |
義務 保護具を備えて使わせるのは会社の義務で、使うのは働く人の義務です。かんたんに言うと、会社は「そろえる・手入れする・使うよう指示する」、働く人は「指示されたら正しく使う」という分担です。
- 労働安全衛生規則 第593条〜第597条
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。
作業別の組み合わせの例
この表の見方:どれも一例です。実際は、リスクアセスメントやSDSで危険を確かめて選びます。
| 作業の例(架空) | 必要になりやすい保護具 |
|---|---|
| グラインダーで金属を削る | 保護めがね(または防災面)・防じんマスク・耳栓・作業手袋(回転部に巻き込まれない種類)・安全靴 |
| シンナーで部品を洗う | 防毒マスク(有機ガス用)・化学防護手袋・保護めがね・保護衣 |
| 建設現場の足場の上で作業する | 保護帽(墜落時保護用も)・フルハーネス型墜落制止用器具・安全靴・反射ベスト |
回転する機械を扱う作業では、手袋が巻き込まれて大けがにつながることがあります。ボール盤・面取り盤などで手が巻き込まれるおそれがあるときは、手袋を使わせてはいけないと決まっています(労働安全衛生規則第111条)。作業ごとに確かめましょう。
- □ 保護具は、同時に働く人数以上そろっている
- □ 型式検定の対象のものは、検定合格の標章を確かめた
- □ マスクのフィルターや吸収缶、ヘルメットは交換時期を決めている
- □ 保護具の正しい着け方を教え、使うよう指示している
- □ 汚れたり壊れたりした保護具は、すぐに交換している

グラインダー作業の例にある防じんマスクは、検定合格の標章と型式の番号を確かめて選びます。重松製作所の使い捨て式防じんマスク DD11-S2-5(フック式・10個入り)は、販売ページに国家検定 DS2 合格(型式検定合格番号 第TM746号)と表示されています。販売ページでは、グラインダー・サンダー作業などの用途が挙げられています。顔との間にすき間ができないよう、正しく着けて使ってください。
耳栓は、騒音の大きさに合う遮音値のものを選びます。3Mの耳栓「EAR クラシック 310-1001」(10組)は、販売ページに JIS T 8161 EP-1(1種)適合・NRR 29dB と表示された、使い捨てのフォーム(スポンジ状)の耳栓です。耳の奥まで正しく入れないと、表示どおりの遮音にはなりません。
よくある質問
まとめ:部位で整理して、検定と規格を確かめる
- 保護具は、頭・目と顔・呼吸・耳・手・体・足・墜落防止の8つの部位で整理できます。
- 防じんマスク・防毒マスク・保護帽などは、型式検定に合格したものだけを使います。
- 会社は、有害な業務に合った保護具を人数分以上そろえ、清潔に保ちます。
- 保護具は「最後の守り」。まず設備や作業方法で危険を減らします。
つまり、作業の危険を確かめてから、部位ごとに検定や規格に合う保護具を選び、人数分をそろえて正しく使わせることが基本です。
メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに、職場の安全と健康のルールを図解しています。法令は厚生労働省の資料と条文で確認し、根拠を示して説明することを大切にしています。


