健康診断の項目一覧|定期健康診断の11項目と年齢別の早見表・省略基準

健康診断の項目を示す図解。会社の健康診断で血圧を測る社員のアイキャッチ 健康管理とメンタルヘルス
答え

定期健康診断の項目は、労働安全衛生規則第44条で決められた11項目です。既往歴・業務歴の調査、自覚症状・他覚症状の検査、身長・体重・腹囲・視力・聴力、胸部エックス線と喀痰、血圧、貧血、肝機能、血中脂質、血糖、尿、心電図の検査で、このうち身長・腹囲・胸部エックス線・血液検査・心電図などは、厚生労働大臣が定める基準にもとづき、医師が必要でないと認めるときは省略できます。

知りたいことから:11項目の一覧/年齢別の早見表/医師が省略できる基準

この記事では、健康診断の項目を、何がわかるかと省略の基準まで表で整理します。省略は「若いから自動的に受けなくてよい」ではなく、基準にあてはまる人について医師が必要でないと判断したときにできるものです。

根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

定期健康診断の11項目の一覧

常時使用する労働者に、1年以内ごとに1回行います。深夜業などの特定業務に常時従事する人は6か月以内ごとに1回です(規則第45条)。

項目(規則第44条)中身わかること
1. 既往歴・業務歴の調査これまでの病気と、どんな仕事をしてきたか仕事と健康の関係を見る土台
2. 自覚症状・他覚症状の有無の検査本人が感じる症状と、医師の診察体調の変化
3. 身長・体重・腹囲・視力・聴力の検査聴力は1,000ヘルツと4,000ヘルツの音肥満、メタボ、目や耳の働き
4. 胸部エックス線検査・喀痰検査肺のレントゲン、たんの検査結核・肺の病気
5. 血圧の測定上と下の血圧高血圧(脳・心臓の病気の危険)
6. 貧血検査血色素量と赤血球数貧血
7. 肝機能検査GOT・GPT・γ-GTP肝臓の働き、お酒の影響
8. 血中脂質検査LDLコレステロール・HDLコレステロール・血清トリグリセライド(中性脂肪)脂質異常症(動脈硬化の危険)
9. 血糖検査血液中の糖の量糖尿病
10. 尿検査尿の中の糖と蛋白糖尿病、腎臓の病気
11. 心電図検査心臓の電気の動き不整脈、心臓の病気

雇入れ時の健康診断との違い

雇入れ時の健康診断(規則第43条)も、ほぼ同じ11項目ですが、喀痰検査がなく、省略できる項目もありません(3か月以内に受けた健診の結果を出せば、その項目は省略できます)。

義務(罰則あり) 定期健康診断を行わないと、労働安全衛生法第120条により50万円以下の罰金の対象になります(法第66条第1項)。

根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

定期健康診断の11項目の図。既往歴・業務歴、自覚・他覚症状、身長・体重・腹囲・視力・聴力、胸部X線・喀痰、血圧、貧血、肝機能、血中脂質、血糖、尿、心電図

医師が省略できる基準

次の表の人については、医師が必要でないと認めるときに、その項目を省略できます(規則第44条第2項、平成10年労働省告示第88号)。

BMI=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)。省略できないのは、既往歴・業務歴の調査、自覚症状・他覚症状、体重、視力、聴力、血圧、尿の検査です。

項目省略できる人(医師が必要でないと認めるとき)
身長20歳以上の人
腹囲①40歳未満の人(35歳を除く) ②妊娠中の女性など、腹囲が内臓脂肪の蓄積を反映していないと診断された人 ③BMIが20未満の人 ④自分で腹囲を測って申告した人(BMIが22未満に限る)
胸部エックス線40歳未満の人(20歳・25歳・30歳・35歳を除く)で、学校・病院・社会福祉施設などで働く人や、粉じん作業の一定の人にあたらない人
喀痰胸部エックス線で病変が見つからない人、結核発病のおそれがないと診断された人、胸部エックス線を省略できる人
貧血・肝機能・血中脂質・血糖・心電図40歳未満の人(35歳を除く)
POINT

聴力は省略できませんが、45歳未満の人(35歳・40歳を除く)は、医師が適当と認める方法の聴力検査に代えることができます(規則第44条第4項)。

根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

省略できる項目とできない項目の図。身長・腹囲・胸部X線・喀痰・血液検査・心電図は医師の判断で省略できることがあり、問診・体重・視力・聴力・血圧・尿は省略できない

年齢別の早見表

血液検査は、貧血・肝機能・血中脂質・血糖の検査です。どれも「省略できることがある」で、最終的には医師が判断します。

年齢省略できることがある項目(医師の判断)必ず受ける節目
20歳・25歳・30歳身長(20歳以上)、腹囲(BMIなどの条件)、血液検査・心電図胸部エックス線は受ける
35歳身長腹囲・胸部エックス線・血液検査・心電図を受ける
上記以外の40歳未満身長、腹囲、胸部エックス線・喀痰(条件あり)、血液検査・心電図—
40歳以上身長、腹囲(BMIなどの条件)、喀痰(条件あり)胸部エックス線・血液検査・心電図を受ける

当てはめ例

どれも架空の例です。

人の例(架空)受ける項目の考え方
28歳の事務職の社員身長・腹囲・胸部エックス線・血液検査・心電図は、医師の判断で省略できることがある
35歳の社員35歳は節目なので、腹囲・胸部エックス線・血液検査・心電図を受ける
32歳の介護施設の職員社会福祉施設で働くので、胸部エックス線は省略できない
健診機関に頼むときのチェックリスト
  • □ 常時使用する労働者全員(パートを含む一定の人)に、年1回の健診を予定した
  • □ 健診機関のコースが規則第44条の11項目を満たしているか確かめた
  • □ 省略するときは、医師が判断したことがわかるようにしている
  • □ 35歳と40歳以上の人は、血液検査・心電図などを受けている
  • □ 健康診断個人票を5年間保存している
根拠

法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

年齢で変わる健康診断の図。20・25・30歳は胸部X線を受け、それ以外の40歳未満は医師の判断で省略できることがあり、35歳と40歳以上は胸部X線・血液検査・心電図を受ける

よくある質問

Q. 定期健康診断の項目はいくつありますか?

A. 労働安全衛生規則第44条で決められた11項目です。問診、身体測定、胸部エックス線、血圧、血液検査、尿検査、心電図などです。

Q. 健康診断の項目は年齢で省略できますか?

A. 基準にあてはまる人について、医師が必要でないと認めるときに省略できます。年齢だけで自動的に省略されるわけではありません。

Q. 血液検査は何歳から必須ですか?

A. 貧血・肝機能・血中脂質・血糖の検査と心電図は、35歳と40歳以上の人は省略できません。それ以外の40歳未満は医師の判断で省略できます。

Q. 身長の測定は毎年必要ですか?

A. 20歳以上の人は、医師が必要でないと認めるときは省略できます。体重は省略できません。

Q. 雇入れ時の健康診断でも項目を省略できますか?

A. 省略の基準はありません。ただし、3か月以内に受けた健診の結果を書面で出せば、その項目は省略できます。

まとめ:11項目が基本。省略は基準と医師の判断で

POINT
  • 定期健康診断は、規則第44条の11項目を1年以内ごとに1回行います。
  • 身長・腹囲・胸部エックス線・喀痰・血液検査・心電図は、基準にあてはまれば医師の判断で省略できます。
  • 35歳と40歳以上は、血液検査・心電図などを受ける節目です。
  • 雇入れ時の健康診断には、省略の基準がありません。

つまり、健診機関のコースが11項目を満たしているかを確かめ、省略は年齢だけで決めずに医師に判断してもらうことが大切です。

S
シラス
電験三種・QC検定1級 / メーカーでパワエレ設計・品質保証 実務10年

メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに、職場の安全と健康のルールを図解しています。法令は厚生労働省の資料と条文で確認し、根拠を示して説明することを大切にしています。

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