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衛生管理者の受験資格は、学歴と「労働衛生の実務」(職場の健康を守る仕事)の経験年数の組み合わせで決まります。大学・短大・高専を卒業した人は卒業後1年以上、高校を卒業した人は卒業後3年以上、学歴を問わなければ10年以上の実務が必要です(第一種・第二種とも同じ)。実務の経験は、会社が書く「事業者証明書」で証明します。
知りたいことから:学歴と年数の早見表/実務に入る13の業務/事業者証明書の書き方
衛生管理者は国家資格(免許)で、試験は公益財団法人 安全衛生技術試験協会が行っています。この記事の内容は、協会が公表している受験資格と事業者証明書の用紙をもとにしています。衛生管理者の仕事や、会社が何人選ぶ必要があるかは「衛生管理者とは」の記事で解説しています。
- 安全衛生技術試験協会「第一種・第二種衛生管理者の紹介」(受験資格・添付書類)
- 同「添付書類の作り方」・事業者証明書の用紙
- 安全衛生技術試験協会「第一種・第二種衛生管理者の紹介」(受験資格・添付書類)
- 安全衛生技術試験協会「添付書類の作り方」(事業者証明書)
- 安全衛生技術試験協会「事業者証明書(衛生管理者)」の用紙(PDF)
情報の確認時点:2026年10月。
衛生管理者の受験資格:学歴と実務の年数の早見表
受験資格は細かく分かれていますが、多くの人が当てはまるのは次の4つです。
左が学歴など、まん中が必要な実務の年数、右が申込みに付ける書類です。
| 学歴など | 必要な労働衛生の実務 | 出す書類 |
|---|---|---|
| 大学・短期大学・高等専門学校を卒業 | 卒業後1年以上 | 卒業証明書(または卒業証書の写し)+事業者証明書 |
| 高等学校・中等教育学校を卒業 | 卒業後3年以上 | 卒業証明書(または卒業証書の写し)+事業者証明書 |
| 学歴を問わない | 10年以上 | 事業者証明書だけ |
| 第二種の免許を持っていて第一種を受ける(特例) | 条件なし | 第二種の免許証の写し(受験資格の書類は不要) |
このほか、高卒認定試験の合格者や職業訓練の修了者などにも、決まった年数の実務で受験資格があります(協会の一覧で、全部で十数種類)。
専門学校(専修学校)や各種学校は、受験資格の「大学・短大・高専」には入りません。専門学校を卒業した人は、課程の条件によって扱いが変わるため、協会の一覧(コード1-4・1-5)で確かめるか、受験するセンターに問い合わせます。
自分は受けられるか:判定フロー
いいえ → →Q2
いいえ → →Q3
いいえ → 今はまだ受けられない。協会の一覧のほかの条件に当たらないか確かめる
「卒業後」の年数なので、在学中のアルバイトなどの期間は数えません。たとえば2025年3月に大学を卒業し、4月から総務部で健康診断の取りまとめをしている人は、2026年4月以降に受験資格を満たします。
- 安全衛生技術試験協会「第一種・第二種衛生管理者の紹介」(受験資格のコード1-1〜9-3)
- 安全衛生技術試験協会「第一種・第二種衛生管理者の紹介」(受験資格・添付書類)
情報の確認時点:2026年10月。

「労働衛生の実務」に入る13の業務
事業者証明書の用紙には、労働衛生の実務に入る業務が13挙げられています。主なものをまとめると、次のとおりです。
左が分類、右が事業者証明書の用紙に書かれた業務です。
| 分類 | 実務に入る業務(事業者証明書の用紙より) |
|---|---|
| 健康管理 | 健康診断の実施に必要な事項や結果の処理、看護師・准看護師の業務、保健衛生に関する業務 |
| 作業環境 | 作業環境の測定などの衛生上の調査、作業条件や施設の衛生上の改善 |
| 用具と教育 | 労働衛生保護具・救急用具などの点検と整備、衛生教育の企画・実施 |
| 記録 | 労働衛生統計の作成 |
| 作業主任者 | 有機溶剤・特定化学物質・酸素欠乏危険・石綿などの作業主任者としての職務 |
| そのほか | 試験研究機関の労働衛生の研究、自衛隊の衛生担当、保健所職員の試験研究、建築物環境衛生管理技術者の業務 |
総務・人事の担当者なら、健康診断の手配と結果の取りまとめ、衛生教育の準備、救急箱の点検などが当てはまりやすい仕事です。毎日その仕事だけをしている必要はありませんが、実際に担当していたことを会社が証明できることが前提です。
13の業務のどれにも当たらない仕事で受ける場合は、対象になる業務が限られます。事前に受験するセンターに問い合わせ、事業者証明書の括弧の欄に業務の内容を書きます。
- 安全衛生技術試験協会 事業者証明書の用紙(労働衛生の実務の範囲)
- 安全衛生技術試験協会「事業者証明書(衛生管理者)」の用紙(PDF)
- 安全衛生技術試験協会「添付書類の作り方」(事業者証明書)
情報の確認時点:2026年10月。

事業者証明書の書き方と記入例
事業者証明書は、協会の用紙をダウンロードして使います。会社(事業者)が、受験する人の労働衛生の実務の期間を証明する書類です。
記入例(架空の会社)
左が用紙の欄、右が架空の会社での書き方の例です。
| 欄 | 記入例 |
|---|---|
| 受験する免許 | ①第一種衛生管理者 に〇 |
| 氏名・住所・生年月日 | 山田太郎/〇〇県〇〇市…/平成10年4月1日生 |
| 従事した業務 | ※1の「1 健康診断実施に必要な事項又は結果の処理の業務」など、当てはまる番号 |
| 従事した期間 | 令和6年4月1日〜令和8年10月13日まで(継続中なので証明日と同じ日付) |
| 期間の合計 | 2年6か月(従事していない期間は差し引く) |
| 証明日・事業場 | 令和8年10月13日/株式会社〇〇製作所 第一工場(所在地・電話) |
| 事業者の職名・氏名 | 工場長 〇〇〇〇(または人事部長・総務部長など) |
| 担当者の職名・氏名 | 総務課長 〇〇〇〇(受験者本人以外) |
よくある書き間違い
- □ 証明する人が、事業場を代表する人(社長・支店長・工場長など)か、業務の履歴を管理する部門の長(人事部長・総務部長など)になっているか
- □ 担当者の欄が受験者本人になっていないか(本人なら上司を担当者にする)
- □ 訂正した箇所に、社長などの職印(または社印と個人印の両方)を押したか(受験者の印は訂正印にならない)
- □ 期間の合計から、休職など従事していない期間を差し引いたか
- □ 継続中の場合、終わりの日付を証明日と同じにしたか
事業者証明書を付けた場合、本人確認の書類(住民票の写しなど)は別に付けなくてよいことになっています。
- 安全衛生技術試験協会「添付書類の作り方」・事業者証明書の用紙の注意書き
- 安全衛生技術試験協会「添付書類の作り方」(事業者証明書)
- 安全衛生技術試験協会「事業者証明書(衛生管理者)」の用紙(PDF)
情報の確認時点:2026年10月。

派遣・転職・複数の会社で働いた場合
左がケース、右が証明のしかたです。中身は協会の「よくあるご質問」をもとにしています。
| ケース | 証明のしかた |
|---|---|
| 派遣社員として働いている | 事業者証明書は派遣元の会社が書く |
| 転職して、前の会社の実務も合わせたい | それぞれの会社で事業者証明書を書いてもらい、期間を合わせる |
| 前の会社がなくなった | 受験するセンターに問い合わせる |
つまり、実務の年数は「会社ごとに証明してもらい、足し合わせる」のが基本です。前の会社に頼むときは、用紙と記入例を一緒に送ると、書いてもらいやすくなります。
受験資格を確かめたら、試験日と申込み方法を決めます。申込みはオンラインと郵送が試験日の2か月前から14日前まで、手数料は8,800円です。
会場ごとの試験日と、申込みの締切・必要な書類がわかる
第一種と第二種で受験資格は同じ。違うのは選べる業種
受験資格は、第一種も第二種も同じです。違うのは、合格して免許を取ったあとに、衛生管理者として選任(正式に役目を決めること)できる業種です。第二種の免許では、情報通信業・金融業・保険業・卸売業・小売業など、有害業務とかかわりの少ない業種でしか選任できません。製造業や建設業の職場で選任するなら、第一種が必要です。
第一種と第二種の違いと、選べる業種・試験科目がわかる
勉強を始めるときは、受ける種類に合った教材を1冊決めておくと、範囲をひと通り押さえやすくなります。
第二種を受ける人には、次の本が向いています。TAC出版の『スッキリわかる 第2種衛生管理者 テキスト&問題集』2026年度版です。イラストや図表の多い本文と、項目ごとの過去問演習が1冊になっています(堀内れい子 著)。
製造業・建設業などで選任される人が受ける第一種には、有害業務の範囲まで入ったこちらが合います。TAC出版の『スッキリわかる 第1種衛生管理者 テキスト&問題集』2026年度版です。有害業務の範囲を含む5つの章の本文と、項目ごとの過去問演習が1冊になっています(堀内れい子 著)。
よくある質問
まとめ:学歴と年数を確かめて、事業者証明書を早めに
- 受験資格は、学歴と労働衛生の実務の年数の組み合わせで決まります。
- 大学・短大・高専卒は1年、高校卒は3年、学歴を問わなければ10年以上です。
- 実務に入るのは、健康診断の取りまとめや衛生教育など、用紙にある13の業務です。
- 事業者証明書は、代表者か人事・総務の部門長の名前で書いてもらいます。
つまり、受験を決めたら、まず事業者証明書を書いてもらうところから始めましょう。前の会社の分も必要なら、時間に余裕をもって頼んでおくと安心です。
メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに、職場の安全と健康のルールを図解しています。法令は厚生労働省の資料と条文で確認し、根拠を示して説明することを大切にしています。


