- インターロックとは何か、機械のどこに付いているのか知りたい
- ガードを開けても止まらない機械があるが、問題ないのか気になる
- インターロックを外して作業している人がいて、どう説明すればいいか困っている
- インターロックのしくみと、使われる場面
- ガードと保護装置の種類
- 無効化の危険と、掃除・修理のときの決まり
インターロックは、ガード(囲いや扉)が開いている間は機械が動かない、または開けると機械が止まるように、ガードと機械の運転を結びつける安全のしくみです。厚生労働省の「機械の包括的な安全基準に関する指針」では、ベルトなど動力を伝える部分に扉のように開け閉めできるガードを使う場合、インターロックを付けることが示されています。
かんたんに言うと、「危ない場所に手や体が入れるときは、機械が動けない」状態を、人の注意ではなく機械のしくみで作るものです。
- 機械の包括的な安全基準に関する指針(平成19年7月31日 基発第0731001号で改正)とその解説
- 厚生労働省「「機械の包括的な安全基準に関する指針」の解説等について」(平成19年7月31日 基安安発0731004号)
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。
インターロックとは:人の注意にたよらず、機械のしくみで止める
電子レンジがわかりやすい例です。扉を開けると、加熱が止まります。扉が開いたままでは、スタートボタンを押しても動きません。工場の機械のインターロックも同じで、ガードの扉が開いている間は、危ない動きができないようになっています。
「気をつけて作業する」「止めてから手を入れる」というルールだけでは、急いでいるときや慣れたときに、うっかり手を入れてしまうことがあります。インターロックは、うっかりしても体が危ない場所に届く前に、機械を止めておくためのしくみです。
安全対策の優先順位(3ステップメソッド)
この表の見方:上から順に優先します。インターロックは2番目の「安全防護」にあたります。
| 順番 | やり方 | 例 |
|---|---|---|
| 1. 本質的安全設計 | 危ない部分そのものをなくす・小さくする | 角を丸める、力やスピードを下げる |
| 2. 安全防護 | ガードや保護装置で人を守る | 固定式ガード、インターロック付きの可動式ガード |
| 3. 使用上の情報 | 残った危険を表示や説明書で知らせる | 警告ラベル、取扱説明書 |
- 機械の包括的な安全基準に関する指針の解説(3ステップメソッドはJIS B9700-1による)
- 厚生労働省「「機械の包括的な安全基準に関する指針」の解説等について」(平成19年7月31日 基安安発0731004号)
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

インターロックを使う場面
指針の解説では、次のような場面でインターロックを使うことが示されています。
| 場面 | 指針の考え方 |
|---|---|
| ベルトやシャフトなど、動力を伝える部分 | 固定式ガード(ねじなどで固定)か、インターロック付きの可動式ガードを設ける |
| 作業でガードを開ける必要がある場所 | 開けたら止まる、開いていたら動かない可動式ガードにする |
| 人の全身が機械の中に入れる場所 | 中に人がいるのを検知し、いる間は起動できないようにする。ロックアウト(鍵で起動できなくする)などの方法もある |
当てはめ例
この表の見方:どれも架空の例です。実際は、機械ごとのリスクアセスメントで決めます。
| 機械の例(架空) | 考えられる対策 |
|---|---|
| プーリーとベルトがむき出しのコンベヤ | 固定式ガードで囲う(めったに開けない場所) |
| 加工品を出し入れするため、毎回扉を開ける加工機 | インターロック付きの扉にする |
| 人が入って段取り替えをする大型の設備 | 中の人を検知する装置か、ロックアウトで起動できないようにする |
推奨(指針・通達) インターロックの設け方は、指針で示された考え方です。一方、危ない部分に覆いや囲いを設けることは、規則で決まった義務です。
義務(罰則あり) 機械の原動機・回転軸・歯車・プーリー・ベルトなど危ない部分には、覆い・囲いなどを設けなければなりません(労働安全衛生規則第101条)。
- 機械の包括的な安全基準に関する指針の解説(別表第3の3)
- 労働安全衛生規則 第101条(原動機、回転軸等による危険の防止)
- 厚生労働省「「機械の包括的な安全基準に関する指針」の解説等について」(平成19年7月31日 基安安発0731004号)
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

ガードと保護装置の種類
インターロックは、ガードや保護装置と組み合わせて使います。指針の解説では、次のような種類が挙げられています。
この表の見方:上の2つがガード、下の4つが保護装置です。
| 種類 | しくみ |
|---|---|
| 固定式ガード | 囲い・柵・覆いなどを、かんたんに外せないように取り付ける |
| 可動式ガード | 扉のように開け閉めできるガード。インターロックと組み合わせる |
| 光線式安全装置 | 光が人の体でさえぎられたことを検知して、機械を止める |
| 圧力検知マット | マットの上に人が乗ったことを検知する |
| 両手操作制御装置 | 両手でボタンを押している間だけ動く。手が危ない場所に入れない |
| イネーブル装置 | スイッチを押し続けている間だけ動かせる |
どれも、人が危ない場所に入ろうとしたら「止まる」、または「動かせない」ようにするための道具です。つまり、インターロックは1つの部品の名前というより、ガードや装置と機械の運転をつなぐ「考え方」と覚えると、わかりやすくなります。
- 機械の包括的な安全基準に関する指針の解説(第1の3 用語の定義)
- 厚生労働省「「機械の包括的な安全基準に関する指針」の解説等について」(平成19年7月31日 基安安発0731004号)
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

無効化の危険と、掃除・修理のときの決まり
インターロックは、作業のじゃまになると、スイッチをテープで止めたり、部品を外したりして「無効化」されることがあります。そうすると、扉を開けても機械が動き続け、手や体がはさまれたり巻き込まれたりする危険がそのまま残ります。
指針の解説では、事業者がガードや保護装置を取り外したり無効にしたりする場合、機械を作る会社と同じように保護方策を考える必要があるとされています。つまり、「外して使う」なら、外したことで生まれる危険への対策まで、会社が責任をもって用意しなければなりません。
義務(罰則あり) 機械の掃除・給油・検査・修理・調整で危険があるときは、機械の運転を止めなければなりません。止めたら、起動装置に錠をかける、表示板を付けるなどして、ほかの人が動かせないようにします(労働安全衛生規則第107条)。
- □ インターロック付きの扉を開けると、機械が止まることを確かめた
- □ 扉が開いたままでは、起動できないことを確かめた
- □ ドアスイッチがテープや針金などで無効にされていない
- □ 掃除や修理のときは、運転を止めて起動装置に錠と表示板を付けている
- □ インターロックを外したい作業があるときは、勝手に外さず、担当者に相談するルールがある
- 労働安全衛生規則 第107条(掃除等の場合の運転停止等)
- 機械の包括的な安全基準に関する指針の解説(第1の2(2))
- e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
- 厚生労働省「「機械の包括的な安全基準に関する指針」の解説等について」(平成19年7月31日 基安安発0731004号)
法令の確認時点:2026年10月。改正されることがあるため、最終的な判断は所轄の労働基準監督署に確認してください。

よくある質問
まとめ:止まることを毎日確かめ、勝手に外さない
- インターロックは、ガードが開いている間は機械が動かないようにする、安全のしくみです。
- 安全対策の優先順位では、本質的安全設計の次の「安全防護」にあたります。
- 扉のように開け閉めするガードや、人が中に入れる場所で使われます。
- 無効化すると危険が残ります。掃除・修理のときは運転を止め、錠と表示板で起動できないようにします。
つまり、インターロックは「付けて終わり」ではなく、毎日きちんと止まることを確かめ、勝手に外さないルールとセットで使うことが大切です。
メーカーで回路設計と生産技術(品質改善)に携わってきた経験をもとに、職場の安全と健康のルールを図解しています。法令は厚生労働省の資料と条文で確認し、根拠を示して説明することを大切にしています。


